物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

次の読書会は9月27日(金)です。

またまた連絡が遅れましてすみません。

今度の読書会には久しぶりに安部公房の短編『闖入者』をとりあげます。なかなか怖い作品ですが、面白いですよ。楽しみにしています。場所はいつもの町田市民フォーラム3階多目的実習室、13時半~15時半、参加費500円です。学生さんは無料です。飛び入り参加歓迎です。

この日は午前中のお茶もあります。ストレス解消にいろんな話ができると良いと思います。こちらは無料、お茶とお菓子付きです。話の発端に絵本『ナージャの5つのがっこう』を持って行きますね。ロシア、フランス、イギリス、アメリカ、日本、国によって小学校がこんなに違うというものです。

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バースディパーティ 昆虫/アンセクト

夏が終わる9月というのはどうも苦手。気分がずんと暗くなってしまうのですが、ひとつには自分の誕生月だからというのがあります。あまり良い思い出がないのですよね。私が生まれた日が母に人生最悪の日と言われたのが(自分で出産を経験して痛みを過激に感じてしまう体質だというのを理解はしましたが、やっぱり)トラウマになっています。

そんなことを読書会でしゃべることもあるものですから、有志の方々がバースディパーティを開いてくれました。多謝です。

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上はビーツ+りんごジャム入りのロシアンティです。生姜とシナモンの香りがきいていました。ひれから、持ち寄りでご馳走をこんなに。

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私はお礼に、フランスの若い作家クレール・カスティヨンの短編集からひとつ朗読しようかと。この作品集は母と娘をテーマにしたものばかりなのですが、かなり屈折していて毒あるものばかり収録されています。「代理ミュンヒハウゼン症候群」などというタイトルのものもあります。装丁からも雰囲気が伝わるかと。

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その中から一番面白いなと思った「昆虫/アンセクト」を朗読してみました。昆虫を偏愛する母親、才能豊かな絵を描く父親、胸がふくらみ始めた一人娘の三人家族。語り手である母親の目に映る恐ろしい妄想世界が綴られていきます。

でも、その妄想世界は妄想に過ぎなくて、そういうところに気持ち良く救われます。手放しでハッピーとは言えなくてなんとなくもやっとした危うさはあるものの、とりあえずほっと息がつけるのがいい感じだなぁと思います。

ちょうどバースディパーティが始まるところで物語が終わるのです。

ケーキの飾りつけはその場でしてくれました。黒いのはタピオカではなくてブルーベリーと巨峰ですね。レモンの皮のグリーンとミントの葉も生命力あふれていて、芸術的な事故レーション。

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なんかすごい…。エネルギーを放出しているようなケーキです。

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わおっ。

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切り分けるのはちょっと難しかったですね(^^♪

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ケーキと一緒に元気をいただきました。

抒情文芸「蟻んこ」

「抒情文芸」2019年秋(第172号)が送られてきました。

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今回投稿したのは「蟻んこ」という短編小説。女の子の虐待を描いたものです。なかなか暗い作品で、これ、私にとっては新境地かもしれません。

具体的な場面としてはすべて想像によるフィクション。でも、昔の自分の体験を別の形に置き換えたものとも言えて思い入れがあったので、掲載されて大変嬉しかった。救われたような気がしました。

これを書いているときに、みずたまさんに誘われて新国立美術館のクリスチャン・ボルタンスキー展を観に行ったのですよね。フランスの現代アートを代表するボルタンスキーの50年間の軌跡をたどる展示。最初にあった嘔吐する人の映像などが自分の中にあった記憶を良い意味で刺激してくれました。

会場はすごくきれいなんですけれど、これはホロコーストで亡くなった人々の着ていた衣服を思わせる上着でできたぼた山。

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ボルタンスキーは1944年生まれなのでご自身の記憶にはないでしょうが身内から聞いたナチス占領下の出来事がトラウマになって作品に影響しているそうです。回顧展で流れていたインタビュービデオでトラウマが表現の核になるという話になるほどと思ったのでした。

アートや文学というのは正しさを証明したり説明したりするものではなく、作者の体を通して現実がまっすぐ表現されていることが必要なのではないですかね。暗いものやマイナスのものであっても、そこに作者にとっての嘘がなければ、鑑賞する人にとっては有意義な体験になるのではないかと。

未来を想像するときのひとつの足がかりになるわけですから。

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七沢温泉、大山、ヒルツアーその2

翌日の朝はひと風呂浴びてからの朝ごはん。黙っていて料理が出てくるのって主婦にはやはり新鮮。というかものすごい贅沢です。朝は特にそう思いますね。それも、こういうメニューだと本当に嬉しい。

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私は普段も朝ごはんをたくさん食べる人なので、またついモリモリ食べてしまいました(帰ったらすぐ健康診断があるというのに…だって美味しいんだもの)。

さて、この日は大山に向かいます。バスに乗って伊勢原駅に。バスを待っている間にも、私はコンビニで牛乳も買って飲んでしまいました。朝は牛乳を飲まないとなんだか力が出なくて…。

駅でバスを乗り換えて大山ケーブルのバス停へ。

参道には面白そうなもの、おいしそうなものがたくさんありましたが、それは帰りの楽しみにとっておいて、まずはケーブルカーに乗ります。フリーパスがここでも使えるのです。

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阿夫利神社にお参り。こんな眺めでしたよ。気持ちいい!

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それから自然散策も。お天気が良いせいか森の中にはすがすがしい空気。

結局、今回の旅でヒルには出会えませんでした。ちょっとだけ残念( ;∀;)

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そして、大山と言えば豆腐料理。これも美味しくいただきましたよ。

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なんと、フリーパスを持っていたら豆腐料理も100円引きになりました。

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このパスには色々お世話になりました。感謝。

七沢温泉、大山、ヒルツアー

夏の疲れを癒そうということでたまたま都合が合った読書会のメンバー5人で近場の温泉に行くことに。以前から大山に行こうという話はあったのですが、最近は蛭がいると聞いて怖気づいていたのですよね。それじゃ、もうちょっと近い七沢温泉なんかどうかという案が出ました。

でも、8月末でも夏休み料金なんですね。子どもの教育費に苦労しているメンバーが多いので、年中料金が変わらない七沢温泉の宿「福松」をメンバーが見つけました。良心的だし、何より料理は町田で修行されたという情報がひっかかって…これは郷土愛?おいしいに違いないというわくわく感。私たち、そういう嗅覚だけは敏感です。

更に「丹沢・大山フリーパス」で小田急線と神奈中バス大山ケーブルに乗れるというお得な情報もまた別のメンバーが探してきました。こうなったら2日目は大山ケーブルに乗らなけれね。

当日は電車で数十分。本厚木からバスに乗ってまた数十分。なんだこんなにすぐついてしまうのか。温泉手前で下車。フリーパスを使えばバスは何度でも乗れるので気が大きくなっています。

県立七沢森林公園でも散策しようと観光案内所で道を尋ねました。すぐ近くみたい。そのついでという感じにメンバーが「蛭なんているんですかね?」と口にすると、は?バカにしてもらってら困るわという顔で「全盛期です!」と断言されてしまいました。

忌避剤スプレーが三種類設置されており「どうぞどうぞ」とそれを貸してもらいました。私たちも念のために演劇ワークショップで使っている養生テープを持っていたので(冗談で持って行ったのに本当に使うことになるとは…)足に巻いてその上からスプレー。こんなことになりました…(^.^)

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ところが、「足は良くてもねぇ、上から降ってくるのよ」と案内所の人。メンバーみな青くなりまして、この暑さの中で手ぬぐいを首に巻いたりパーカーのフードなど頭にかぶって出かけました。

公園内にはこんな恐ろし気なボックスが点在していましたよ。ボックスの中には塩や食酢が入っています。

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 しかし、結局蛭に出くわすことなく温泉宿「福松」にたどり着いてしまいました。普段感じたことのないスリルと恐怖を味わったので、シンプルな畳のお部屋が妙に落ち着きました。

それから、ひのき風呂の優しさ、気持ち良さといったら。

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そして、ついに夕飯は…え、うまっ。予想を越えたおいしさでした~。なんという幸せ

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主婦にとっては座って食べるだけというのに癒されますが、ツルムラサキと金紫蘇のおひたしの組み合わせなどが身体にしみる年齢です。

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これは猪鍋。塩分濃い目でしたが、汗をかいたのでこれくらいでちょうど良いのかな。

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ハラスとコーンの炊き込みご飯はおこげもあって風味よく、私は3つあったお釜の1つをひとりで食べてしまいました。イチジクの天ぷらは絶品。ほんのり甘みがありました。

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デザートまで完食。

…続きは明日

物語のかたちをした考え

夏休み企画ということで、イスラエルの作家エトガル・ケレット『クレネルのサマーキャンプ』(母袋夏生訳 河出書房新社 2018)に収録されている「物語のかたちをした考え」の読書会をしました。他の作品にも戦争の影がありますが、この3ページの足らずの寓話にも悲しみや怒りがあるように思われます。

かつて月には大勢の人々が暮らしていました。月の住人たちは自分の考えをオリジナルの形で表現することができ、それを大変誇りに思っていたのです。ところが、ときを経て自分の考えをどういう形で表現したら良いかという定型が生まれ、その規則を正しく守るようになっていきます。

ところがある時、そこにただひとりだけ自分の考えを他の人たちとは違う形で表現する若者があらわれました。彼は宇宙船をつくって宇宙を旅し、ユニークな考えを収集しよう夢みます。

人々は驚き、また彼への憐憫を感じて、若者が眠っている間にほとんど完成していた宇宙船を壊してしまいます。代わりに定型の形のいくつかを「愛犬の死を悼んでかける刺繍入りのテーブルクロスのかたちをしたかなしみ」にくるんでおくのです…。

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読書会は20代の参加者の方々もいて、世代間のコミュニケーション法のギャップについてなども話しました。表現法が違っていると、伝えたいことも伝わりません。他人事ではないですね。

カラマーゾフの兄弟

せっかくPCを開いたのでもう少し書こうかな。

この夏の目標としてドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を読破しょうと思っています(^^♪ まだ読んでいなかったんですよね。

我が家にある新潮文庫だと上中下巻それぞれ600ページちょっとです。写真をアップしてみましたが…あれ、これは色が違うだけですね。

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無理のない計画、1日100ページずつ読むことにすると18日かなぁと。とりあえずそのペースで中巻の半分まで読みました。あ、ちょうど半分ですね。意外に順調というか、ひっかからないというか…いや、これはかなり面白いんです。

おかしいなぁ。実は、今まで何度も読みかけて挫折している本なんですよ。たぶん本の中の人々が議論している宗教にあまり関心が持てなくて、更に登場人物が多いので誰が誰だかわからなくなってしまって中断したのだったかな。

そうです。当たり前の話で、興味がない本は読めないってことなんですよ。前はピンとこなかったけれど、今は面白い。たぶん、今社会生活をする中で個人的に疑問に思っていることやでストレスになっていることが解明される面白さなんです。

そういう本というのは、読むと元気になるものですねー。