物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

「ティファニーで朝食を」読書会

カポーティティファニーで朝食を」の読書会はみんなで深いところまで読むことができたので、そのことを書こうと思っているうちに日がたってしまいました。

言葉にすると薄っぺらくなりそうなのです。天才であるカポーティが奇跡のように描き出した作品を理屈で説明するのは土台無理な話です。

不思議なのは、戦時中のニューヨークの物語の中に、バブル期直前の私自身の、いわゆる青春体験と重なる部分があることです。

小説ってそういうものなのですね。

小説の中でカポーティの分身のような「僕」やバーの店主ジョー・ベルがホリーを思い出すように、今でもそのホリーに似た友人を思い出します。私の人生の分岐点となった時代と場所に大きな存在としていた友人は、その後、小説と同じようにどこかに消えてしまいました。

ホリーに瓜二つの彼女は、やはり尋常でなく人に好かれましたが、非常識で、私の許容範囲を越えていました。

よく彼女にホリーのセリフのような謎めいた言葉をポンと放られ、何の気なくキャッチしていましたが、三十年以上たった今でも思い出すというのは、その答えをずっと考えてきたということなのか…。

小説を読み解くことで、まだ解けていない謎を考える面白さがありました。

今、更年期というまた大きな分岐点にいると、青年期がひどく輝いて見えますね~。

10月25日は読書会です

次の例会は10月25日(金)、場所は町田市民フォーラム3F多目的室です。

午前10時からのお茶会は無料です。お菓子食べながら楽しくおしゃべりしましょう。

最近は情報や話題が多いので、今回はあえてテーマを決めませんので、皆さんそれぞれ話したいことを持ってく来てくださいね。

 

13時半~15時半は読書会。参加費500円です。

トルーマン・カポーティの「ティファニーで朝食を」を読み解いてみようと思います。映画が有名ですが、小説も面白いですよ。長い作品ですのであらかじめ読んで参加してください。

これは手持ちの村上春樹訳の本です。猫ちゃんが出てきましたっけね。

f:id:machienpro13:20191019232349j:plain

 

実は、今日は東大のホームカミングディというのに行ってきました。水餃子を食べたり、図書館見学ツアーに参加したり。

f:id:machienpro13:20191020000745j:plain  f:id:machienpro13:20191020000726j:plain

それから、読書会を開催することとも関連があると思いましたので「ことばの危機 入試改革・教育改革を問う」というシンポジウムに参加してきました。

言葉で伝えることは不可能に近い。自分とは違う他者とのコミュニケーションがいかに難しいか、そのコミュニケーションをどこまでも続けていこうというのが文学だという認識に共感しました。困難を乗り越えるために、文学は実用的なものだと思いますね。

読書会はひとつの正解を見つけるものでもありませんし、みんながそれぞれの感想を持てばよいというものでもなければ、誰が一番という順位を決めるものでもありません。

参加者みんながそれぞれの角度から見ていくことでダイナミックな物語のうねりや構造や実際に役立つ重要な情報が読み解けていくものだと思います。みんなで協力し合って読めば、ひとりでは到達しえない深いところまでたどり着けます。

読書会、是非、参加してみてください。

27日のお茶会と読書会、ありがとうございました。

27日の報告をします。

午前中のお茶会。メンバーの近況報告からだいぶ踏み込んだ話になり…そうそう、メンバーがいつもと違ったせいか意外な方向に展開し、広がっていきました。

話題作りに絵本を読もうと思っていたのですが、不思議に最初から関連した話題にもなっていて、教育やアートの話から、化石やロシア料理や海外からの留学生のことなど。最後に読んだ絵本も皆で読むと楽しいものですね。

f:id:machienpro13:20190917230118j:plain

読書会は安部公房の短編『闖入者』、昭和27年に発表された作品です。

若者が住むアパートの部屋に、突然大家族がぞろぞろやってきてノックします。中に入れしまったのでしょう、そのまま住み着いてしまいます。あろうことか若者よりもアパートの住民たちと仲良くなってしまいます。民主主義の多数決の原理を使う彼らに対し、若者はうまく反論することができません。ガールフレンドまでとられてしまい、どんどんひどいことに…。

戦後入ってきた民主主義の落とし穴について書かれているのではないかという意見から読書会は始まりました。確かに、民主主義を標榜する一家はもっともらしいことを言いますが、何かがおかしい。

そうだとして、若者はどうすれば助かったのか?助かる方法は?

そもそもまずかったのは、若者がアパートの住人と仲良くしていなかったこと。人と繋がることが苦手なのでしょう。簡単に人を信用してはいけないけれども、信用しないと始まらない…。

感想の一部。

「主人公の視点で闖入者のなんと怖いことかと読んでいましたが、すべての闖入者が悪意を持っていたわけではないとの感想にハッとした」

「突破口は相手をよく見ることだった。ただ敵だと思って見ていると何も見つからないけど、敵もすべて同じ考えじゃない。案外敵じゃないのかも」

次の読書会は9月27日(金)です。

またまた連絡が遅れましてすみません。

今度の読書会には久しぶりに安部公房の短編『闖入者』をとりあげます。なかなか怖い作品ですが、面白いですよ。楽しみにしています。場所はいつもの町田市民フォーラム3階多目的実習室、13時半~15時半、参加費500円です。学生さんは無料です。飛び入り参加歓迎です。

この日は午前中のお茶もあります。ストレス解消にいろんな話ができると良いと思います。こちらは無料、お茶とお菓子付きです。話の発端に絵本『ナージャの5つのがっこう』を持って行きますね。ロシア、フランス、イギリス、アメリカ、日本、国によって小学校がこんなに違うというものです。

f:id:machienpro13:20190917230118j:plain

バースディパーティ 昆虫/アンセクト

夏が終わる9月というのはどうも苦手。気分がずんと暗くなってしまうのですが、ひとつには自分の誕生月だからというのがあります。あまり良い思い出がないのですよね。私が生まれた日が母に人生最悪の日と言われたのが(自分で出産を経験して痛みを過激に感じてしまう体質だというのを理解はしましたが、やっぱり)トラウマになっています。

そんなことを読書会でしゃべることもあるものですから、有志の方々がバースディパーティを開いてくれました。多謝です。

f:id:machienpro13:20190907230937j:plain  f:id:machienpro13:20190907231030j:plain

上はビーツ+りんごジャム入りのロシアンティです。生姜とシナモンの香りがきいていました。ひれから、持ち寄りでご馳走をこんなに。

f:id:machienpro13:20190907230444j:plain

私はお礼に、フランスの若い作家クレール・カスティヨンの短編集からひとつ朗読しようかと。この作品集は母と娘をテーマにしたものばかりなのですが、かなり屈折していて毒あるものばかり収録されています。「代理ミュンヒハウゼン症候群」などというタイトルのものもあります。装丁からも雰囲気が伝わるかと。

f:id:machienpro13:20190907224403j:plain

その中から一番面白いなと思った「昆虫/アンセクト」を朗読してみました。昆虫を偏愛する母親、才能豊かな絵を描く父親、胸がふくらみ始めた一人娘の三人家族。語り手である母親の目に映る恐ろしい妄想世界が綴られていきます。

でも、その妄想世界は妄想に過ぎなくて、そういうところに気持ち良く救われます。手放しでハッピーとは言えなくてなんとなくもやっとした危うさはあるものの、とりあえずほっと息がつけるのがいい感じだなぁと思います。

ちょうどバースディパーティが始まるところで物語が終わるのです。

ケーキの飾りつけはその場でしてくれました。黒いのはタピオカではなくてブルーベリーと巨峰ですね。レモンの皮のグリーンとミントの葉も生命力あふれていて、芸術的な事故レーション。

f:id:machienpro13:20190907004413j:plain  f:id:machienpro13:20190907230724j:plain

f:id:machienpro13:20190907004459j:plain  f:id:machienpro13:20190907004525j:plain

なんかすごい…。エネルギーを放出しているようなケーキです。

f:id:machienpro13:20190907230853j:plain

わおっ。

f:id:machienpro13:20190907224348j:plain

切り分けるのはちょっと難しかったですね(^^♪

f:id:machienpro13:20190907224354j:plain

ケーキと一緒に元気をいただきました。

抒情文芸「蟻んこ」

「抒情文芸」2019年秋(第172号)が送られてきました。

f:id:machienpro13:20190905234127j:plain

今回投稿したのは「蟻んこ」という短編小説。女の子の虐待を描いたものです。なかなか暗い作品で、これ、私にとっては新境地かもしれません。

具体的な場面としてはすべて想像によるフィクション。でも、昔の自分の体験を別の形に置き換えたものとも言えて思い入れがあったので、掲載されて大変嬉しかった。救われたような気がしました。

これを書いているときに、みずたまさんに誘われて新国立美術館のクリスチャン・ボルタンスキー展を観に行ったのですよね。フランスの現代アートを代表するボルタンスキーの50年間の軌跡をたどる展示。最初にあった嘔吐する人の映像などが自分の中にあった記憶を良い意味で刺激してくれました。

会場はすごくきれいなんですけれど、これはホロコーストで亡くなった人々の着ていた衣服を思わせる上着でできたぼた山。

f:id:machienpro13:20190906000124j:plain

f:id:machienpro13:20190906000139j:plain

ボルタンスキーは1944年生まれなのでご自身の記憶にはないでしょうが身内から聞いたナチス占領下の出来事がトラウマになって作品に影響しているそうです。回顧展で流れていたインタビュービデオでトラウマが表現の核になるという話になるほどと思ったのでした。

アートや文学というのは正しさを証明したり説明したりするものではなく、作者の体を通して現実がまっすぐ表現されていることが必要なのではないですかね。暗いものやマイナスのものであっても、そこに作者にとっての嘘がなければ、鑑賞する人にとっては有意義な体験になるのではないかと。

未来を想像するときのひとつの足がかりになるわけですから。

f:id:machienpro13:20190906000150j:plain

七沢温泉、大山、ヒルツアーその2

翌日の朝はひと風呂浴びてからの朝ごはん。黙っていて料理が出てくるのって主婦にはやはり新鮮。というかものすごい贅沢です。朝は特にそう思いますね。それも、こういうメニューだと本当に嬉しい。

f:id:machienpro13:20190902225043j:plain

私は普段も朝ごはんをたくさん食べる人なので、またついモリモリ食べてしまいました(帰ったらすぐ健康診断があるというのに…だって美味しいんだもの)。

さて、この日は大山に向かいます。バスに乗って伊勢原駅に。バスを待っている間にも、私はコンビニで牛乳も買って飲んでしまいました。朝は牛乳を飲まないとなんだか力が出なくて…。

駅でバスを乗り換えて大山ケーブルのバス停へ。

参道には面白そうなもの、おいしそうなものがたくさんありましたが、それは帰りの楽しみにとっておいて、まずはケーブルカーに乗ります。フリーパスがここでも使えるのです。

f:id:machienpro13:20190902230632j:plain

阿夫利神社にお参り。こんな眺めでしたよ。気持ちいい!

f:id:machienpro13:20190903000842j:plain

それから自然散策も。お天気が良いせいか森の中にはすがすがしい空気。

結局、今回の旅でヒルには出会えませんでした。ちょっとだけ残念( ;∀;)

f:id:machienpro13:20190903001018j:plain f:id:machienpro13:20190903001048j:plain

そして、大山と言えば豆腐料理。これも美味しくいただきましたよ。

f:id:machienpro13:20190903001119j:plain

なんと、フリーパスを持っていたら豆腐料理も100円引きになりました。

f:id:machienpro13:20190903001139j:plain

このパスには色々お世話になりました。感謝。