物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

本の紹介

「おおガラス」「あまりもの」

先月末の読書会のことを書こうという気力が、このところ、毎晩萎えてしまって。相模原の事件のダメージでしょうか…。どうして人間がそんなふうになってしまうのか…と。 これだけ情報が多いと自分に都合のよい情報はどこかしらにあるもので、それを勝手に都合…

都市型ファシズム?

昨日、相模原であった事件がショックです。自分の問題を、上から目線で関係ない人や弱者のせいにするというのは…?そこまで自分に都合よく、自分をもごまかして考えられるものなのか…? 先日の風邪の回復期、「『絶歌』論―元少年Aの心理的死と再生」 (サイコ…

「貘集」と「ヤンデレ夫婦漫画」

▼高校生大学生を中心にした〈ことばらんど読書会〉は、次回7月22日(金)夕方6時から町田市文学館(ことはらんど)の1階フロアにて開催します。レイモンド・カーヴァー「でぶ」の朗読の後、1時間ほどのディスカッションを予定しています。 * * * 風邪をひ…

「きみの膵臓をたべたい」

娘にすすめられて、住野よる『きみの膵臓をたべたい』を読みました。やはりタイトルのインパクトと、読んでみておもいきり純愛小説なのにびっくりしました。 書き方に特徴があって、語り手の男の子の名前が最後まで出てこないというのが良かった。相手役の彼…

太陽の塔

今日は友人のお誕生会があって成城学園に。 ALPESという懐かしい雰囲気のお店でケーキを食べましたが、つい話に熱中してしまい、おいしいケーキはあっという間にお腹の中。 実は、このところ、小説を書き始めないといけないと思いつつ書いていないプレッシャ…

アジサイ

先日の読書会で読んだジュンパ・ラヒリの『見知らぬ場所』は、インドからアメリカに移民した一家の、父親と、子育て中の娘の物語でした。 本の扉には『緋文字』からの引用。 人間というのは一箇所に長続きしないようにできている。いわばジャガイモと同じこ…

エトガル・ケレット「あの素晴らしき七年」

先日、文学館ことばらんどの高校生以上向け読書会で、イスラエルの作家、エトガル・ケレットが19歳の時に最初に書いたという小説「パイプ」をとりあげました。兵役についた初年度、自尊心を保つのが難しくなっていた時期に「パイプ」を書いて、著者は残りの2…

ウィリアム・トレヴァー

親知らずが虫歯になってしまって、今日は何回目かの歯科に行ってきました。その帰り、友人とミスドで会おうということになって。ミスドと言っても、バージョンアップした成城学園の店はまったく違うメニューです。 前回行ったときはエビとアボカドのタルティ…

「さすらう者たち」「記念」「芋虫」

このところイーユン・リーさんの小説にはまっていまして、長編『さすらう者たち』も読みました。 舞台は中国のある新興都市、時は文大革命が終結して地方に下放された若者たちが戻って来た70年代末。物語は実際にあった事件を下敷きにしているそうです。訳者…

黄金の少年、エメラルドの少女

先日読んだ、アメリカのカリフォルニア州に住む中国人の作家イーユン・リー著『独りでいるより優しくて』の印象があまりに強烈だったので、続けて『黄金の少年、エメラルドの少女』(篠森 ゆりこ 訳) という短編集も読んでみました。 中でもO・ヘンリー賞を…

独りでいるより優しくて

日曜日、都立町田高校演劇部「はなさかさん」再演を観に行きました。高校演劇って好きなんです。「はなさかさん」は去年、都大会、関東大会まで行ったそうです。 去年、私が観たのは地区大会ですが、今回は順番も入れ替わっていたし、特にラストは大幅に違っ…

100年目に出会う 夏目漱石

昨日、神奈川近代文学館の特別展「100年目に出会う 夏目漱石」にメンバーと行ってきました。 先日読書会でやった『吾輩は猫である』の資料もありました。ラストの原稿から、あの小説のように猫が気に入った人々が漱石にくれた猫の絵ハガキまで。モデルに…

「さよなら、ニルヴァーナ」

昨日観た『ロブスター』という映画は、消化するのに時間がかかりましたが、ラストの解釈が観た人にゆだねられているところが、やはり良かったのかなぁと一日たって思います。 先日、娘にすすめられて読んだ窪美澄『さよなら、ニルヴァーナ』もそれに似た読後…

4月22日の読書会と総会

明後日はピッピのくつした総会があります。といってもそんなに議題はありませんので、午前と午後の読書会の間、11時~11時半くらいに始めてそれぞれ持ってきた昼食を食べながらというラフなかたちになりますので、よろしくお願いします。 読書会は予定どおり…

クシュラの奇跡

昨日が、投稿小説の郵送必着の締め切り。…というわけで、3日くらい前に投函したのですが、PCの調子が悪く、ブログを更新できませんでした。あ、でも、もう大丈夫のようです。 今回は、小説を書いてのが一週間弱だったので、推敲するにも距離がとれなくて難儀…

四月になりましたね。

近所で桜まつりなどがあって出かけたり、あちこちでお花見したり、昨日は娘と夜桜を見に行きました。やっぱり、桜は良いですね~。 このところ読んでいたのは、息子が図書館のビブリオバトルで紹介した『チェルノブイリの祈り』の著者スヴェトラーナ・アレク…

ホフマニア

昨夜は六本木アカデミーヒルズで国際文芸フェスオープニングに参加してきました。 いつも思いますが、アメリカと日本の作家の置かれた状況というものの違いを考えさせられます。いや、他の国と日本と言ったほうがいいのか…。 中国系のアメリカの作家イーユン…

もうすぐ東京国際文芸フェスティバル

このところプライベートが忙しくて時間がなかったのですが、読書は楽しくしています。その一冊。 先日、友人に借りた車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』を読みました。私はこの作家を知らなかったので何の予備知識もなく、私小説とはまったく思わないで面白い…

『草原の実験』と『てぶくろ』

先日、友人にすすめられてアレクサンドル・コット監督の『草原の実験』というロシア映画を観てきました。第27回東京国際映画祭で「WOWOW賞」と「最優秀芸術貢献賞」を受賞したそう。 砂漠の真ん中の一軒家で、屈強な父親と暮らす美しい少女の物語。その少女…

「ラオスにいったい何があるというんですか?」 いちご大福

今朝、ピッピのメンバーであるプー子さんに村上春樹著『ラオスにいったい何があるというんですか?』を借りて、その足で東京の反対側にある実家へ向かいました。母がめまいがするというのでね。 本は、いくつかの旅行記をまとめたもの。都心を通り越して向こ…

第16回まちだ男女平等フェスティバル

2016年1月30日(土)~31日(火)に例年通り男女平等フェスが開催されます。ピッピも展示参加しています。他に色々な企画(映画や講演や軽食堂など)がありますので、良かったら足をお運びください。 今日は準備をしてきました。私はちょっとしか手伝ってい…

山中恒―子どもと物語で遊ぶ―展

ピッピの新メンバーIさんと、町田市文学館の〈山中恒―子どもと物語で遊ぶ―展〉のオープニングセレモニーに参加してきました。 山中恒さんは、私が小学生の頃に読んでいた本の作家なので、おいくつなのだろう、と思ったら84歳なのだそうです。まさか嘘でしょ…

ペンギンの憂鬱

あれやこれやと日々面倒なことがあって憂鬱な気分です…。 おまけに、そろそろうちの中学生の志望校も決めないといけなくて、来週は学校の個人面談があります。やれやれ。 うちの子どもがADHDでディスレクシアという特殊な事情を抱えているせいもありますが、…

レモンとモースとアボカド

国産レモンもらったので、その使い道を考えていました。朝晩冷え込むせいか喉が痛いような。おっ、ちょうどよい、ということで、レモネードをつくってみることにしました。 うっ、これはすっぱいな…。でも、蜂蜜とよくあっている。 ……ふ~ん、喉も落ち着いた…

ロボット Pepper

急に寒くなりましたね。 何か温かいものでも飲もうと、ときどきひとりでこっそり使っている町田駅前のSun’s Cafeというお店に久しぶりに入ったら、入口ですれ違った小さい人に目で後を追われたような気がしました。 「えっ?」と見返すと、あちらもじーっと…

ハロウィンと日本人

今日は、ハロウィンですね~。 先日の読書会で、仮装してどうして悪役にならなければいけないのか、子どもに説明するのが難しいと言ってたかたがいました。そうか、子どもって常に良い子であることが求められているから。 でも、駅前に出たら、どうしてこん…

『現代ウクライナ短編集』『日本その日その日』

昨日の新聞で、ノーベル文学賞を受賞したベラルーシの作家スベトラーナ・アレクシエービッチ氏の邦訳本についての記事を読みました。 有名な『チェルノブイリの祈り』は岩波現代文庫から出ており、今後も重版していくようですが、他の作品はすでに版権が消滅…

ノーベル文学賞にスベトラーナ・アレクシェービッチ氏

ノーベル文学賞に、ベラルーシの女性作家スベトラーナ・アレクシェービッチ氏が選ばれたようですね。1948年ウクライナ生まれのジャーナリストのかたです。意外な方が選ばれたとちょっとびっくりしました。 でも、このかたの著書で我が家にあったのが『チェル…

コングレス未来学会議

夏前に公開されていた映画ですけれど、友人に下北沢でやっていると教えてもらって行ってきました。 『戦場でワルツを』でご自身の戦争体験を描かれたアリ・フォルマン監督の『コングレス未来学会議』(2013 イスラエル・ドイツ・ポーランド・ルクセンブルク…

職業としての小説家

連休中、高校演劇の多摩南地区の大会に行きました。地区大会だけれどもどこもレベルが高いなぁと思いました。 中でも、先日、文化祭で観た町田高校の演劇部「はなさかさん」の公演は二度目になりますが、最後まで目が離せませんでした。現代社会を扱った難し…