物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

最近読んだ本から

人間仮免中卯月妙子

 先日の読書会の後、メンバーに借りたマンガです。統合失調症の幻視や幻聴の実体験が描かれていています。読んでいて重いのは、マンガとして面白く読めるのだけれど、その病状が深刻なこと。でも、冷静にマンガで表現できるって、表現する人としてさすが根性が据わっているなぁ…と。

フクシマゴジラヒロシマ』クリストフ・フィアット 平野暁人訳

 著者は、詩、小説、評論ほか多様なジャンルを手がけ舞台にも関わる60年代生まれの人。2011年、まだ震災後の混乱の大きかった4月にフランスから来日し、平田オリザ氏と一緒にいわきに向かいます。海でゴジラの声を聞いたり、幻を見たり…。

 ところで、私たちのグループから演劇をやろうという考えが生まれたのが7年前くらいだったと思います。色々なことをして盛り上がってきたところだったので、勢いがありました。無謀にも平田オリザさんに相談のお手紙を書いたんです。それで、劇団あなざーわーくすの演出家、わたなべなおこさんを紹介していただき、以来、お世話になっています。

 311の直前に、新しいワークショップをつくる手伝いをしてほしいと言われて何日か分の場所をとったりしたのだけれど、あれこれメールのやりとりをして延期して、実際にみんなで集まったのは4月でした。あの地震の後にどうやって歩いて帰ったかなどが題材になったり、ワークショップの途中に余震があって中断したりしました。その後、わたなべさんがオリザさんといわきに行ったという話もお聞きしました。

 そんな足元のぐらぐらしていたあの頃を思い出すと、幻覚よりも、外国人から冷静に見ている視点が印象的なんだなぁと気づきます。