物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

『おぼえていろよ 大きな木』読書会

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 佐野洋子『おぼえていろよ 大きな木』という絵本の読書会をしました。ここに出てきてなにかと「おぼえていろよ」と捨て台詞を吐く“おじさん”、と“大きな木”をどう読むかということなんですけど、大人はつい夫婦や母子の比喩ではないかなどあれこれ飛躍させて考えるのですが、それがばっちりできてしまう絵本でした。子どもはそんなふうに読まないんでしょうかねぇ。大人にとっては、なかなか大人の話題で盛り上がる絵本だなと思いました~(笑。

『100万回生きたねこ』の話も出て、佐野洋子氏の絵本は子ども向けとばかりは言い切れなくて、もやもやした大人の辛い気持ちも表現していて、読者対象には大人も入っているのかなと思いました。

 でも、面白かったのは、たいしたことじゃないのにこれだけ怒って、突然キレてしまうおじさんは、大きな木ではなくて、ここには書かれていない裏の出来事にもっと腹の立つことがあったのだろうと子どもの頃に読んで思ったというご意見もあったこと。ああ…やっぱり賢いお子様もいますよね。

 今日の参加者は、お久しぶりの方もいて11人でした。来月は、関連しているのかなとも思えるジルヴァスタインの『おおきな木』をとりあげてみようということになりました。翻訳が二種類出ているので、比べてみても面白いかもしれません。よろしくお願いします!

 

 読書会のあと、読書案内「ピッピのくつした」の編集会議。『共喰い』と『恥辱』の読書会を踏まえ、親子関係という切り口で座談会をしてみました。

 どちらも幅広い読み方ができる小説で、なかなかスキャンダラスな内容。『共喰い』にはセックスをするときに必ず女性に暴力を奮ってしまう世帯持ちの男性、『恥辱』には教え子に手を出して退職に追い込まれる50代の大学教授、どちらも中年から初老の問題のある男性が出てきます。

 舞台となるのが日本であるのと南アフリカである違い、外側から描かれているもの、男性の視点で書かれているものの差などはあります。ただ、どちらの男性も息子や娘がいる父親なんですよね。そこにポイントを絞ると、また新たに見えてくるところもあるものだなぁと思いました。

 この内容は次号の『ピッピのくつした』に収録します。

★今後の予定

621日(金)①9時半~②13半~ 市民フォーラム3階多目的実習室

クエンティン・ブレイク『ザガズー じんせいってびっくりつづき』(絵本)

辻村深月『君本家の誘拐』(「鍵のない夢を見る」より)

↑①と②の間11時半~13時半に、お昼を食べながらの編集会議(座談会)が入ります! 見学もOKです。

 

712日(金)①9時半~②13半~ 市民フォーラム3階多目的実習室

 ①シェル・シルヴァスタイン『おおきな木』

 ↑本田錦一郎訳(篠崎書店1976年)と村上春樹訳(あすなろ書房2010年)がありますので、比べてみましょう。

井伏鱒二『山椒魚』

 

830日(金)13半~ 市民フォーラム3階多目的実習室

宮澤賢治『紫紺染めについて』朗読を聴いて

↑この日は29、30日連続ワークショップの最終日とも重なります。ワークシップはまだ計画中ですが、絵本をテーマに演劇を取り入れ、親子で参加できるものにする予定です。