物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

まとめて活動する

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 みなさん、暑いし、忙しいし、参加するだけで大変。でも、一日に活動を3つも重ねるというのはいかがなものかと思いましたが、老化防止には良いのかな~。参加者は13人。以下、この12日(金)の読書会のもようです。

 午前の部…子どもの本の読書会

 シルヴァスタインの『おおきな木』という絵本が課題本でしたが、誰も読んできていない、本を持っていない…という状態からのスタート。こんなにゆるい会なのかぁ…と、とりとめのない雑談が続きましたが、だいぶ遅れてき来た方が本を持っていたので、とりあえず二種類の翻訳本を朗読。最初の雑談が意外とヒントになったりして、長いみちのりを経た末の結論。「この本、もしかしてホラー?」思春期にしっかり親子分離しないと、大変なことになるという物語ではないか、と。参加者世代にはリアリティがありすぎました。

 昼食を食べながらの部…編集会議

〈読書案内ピッピのくつした〉の編集会議。読書会の座談会の記事のために、前回の読書会でとりあげた辻村深月の短篇『君本家の誘拐』を振り返って、あれこれ自由におしゃべりしました。この小説、子育てを始めたばかりの女性の異常な行動を描いた作品ですが、こういうことって「あるある、あるある」という感じ。物語から脱線してそれぞれの体験や見聞で盛り上がってしまいました。とは言え、あまりに女性的な共通認識で表現されることってほとんどないよね、と。それをあえて描いているところがスゴイんでしょう。上の写真はこのときのものです。

 午後の部…ささやかだけれど役にたつ読書会

 井伏鱒二『山椒魚』の読書会。なんか教科書に載ってたよねぇ、と軽くスタートしたのですが…。昭和の始めの経済恐慌のあった時期に書かれた作品ということで、意外と現在に重なるところあり。この物語は、みなさんご存知のように、うっかり成長したことに気づかず頭がつかえて穴からでられなくなった山椒魚が、同じように蛙を閉じ込めてしまうというんですよね。自業自得で閉じ込められた山椒魚と、山椒魚にわざわざ閉じ込められた蛙の違いをどう考えるか、それから問題のラストについての話になりました。

 それはそれとして、明治生まれの井伏先生が、大正、昭和、平成の時代を生きてきて、かなり晩年まで作品を書き続けたことに感動。体験の重みを感じました。