物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

きんこんの会

 21日の土曜日、國學院大学たまプラーザキャンパスで開催された「きんこんの会」に参加しました。重い障害を抱えた人が支援によってコミュニケーションをする会です。いただいた「きんこん通信 第4号」の柴田保之先生の言葉では、こう書かれています。

「きんこんの会は、コミュニケーションに困難を抱える人たち自身の会です。2010年の初めに、数名の当事者が当事者が集まったことがきっかけで誕生しました。会の名前は、鐘の音が響き合うようにみんなの気持ちが響き合うとともに、その気持ちが世の中に響き渡れという願いがこめられたものです。」

 午前11時から12時半まで、コミュニケーションをサポートするいくつかの方法についての勉強会、そして、午後2時から5時過ぎまで、当事同士の人々のディスカッションを聞かせていただきました。

 ディスカッションの内容はあまりに深く、めまいがしてしまいました。実は、私は以前、一度だけ参加させていただいたことがあるのですが、そのときよりも人数が増え、ディスカッションの内容も進化し、かなりパワーアップしているもと感じました。すごいエネルギーです。

 衝撃的だったのは、こんな意見を言われた女性がいたこと。自分はこれまで言葉のない世界で言葉などなくても幸せだと開き直って生きていたのに、言葉を使う方法を提示されて迷惑だ。まるで交通事故にあったようなものだと思った。こんな活動をするのは、言葉を持たない人間を一段下に見る差別だと思った、と。

 それに対して、小・中学生の参加者が、自分は他人と言葉でわかりあいたい、言葉を持たなくてもいいという気持ちはわからない、と言いながらも、その発言に勇気づけられたと。自分に誇りを持つという意識が働いていることに気づいた、と言っていたこと。

 小さい人でも差別に敏感なのだなぁと、しみじみ思いました。それは、きっと当事者の人々が差別を理解しやすい環境にいるからということですよね…。でも、それが、そんなふうに前向きに語られることに心を打たれ、本当に励まされました。