物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

トム・アット・ザ・ファーム

友人と散歩していてたまたまアップリンクの前を通りまして、「トム・アット・ザ・ファーム」という映画を見ました。

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なんか話題にはなっていたけれど、気楽な気分で見始めたら大間違いで、途中、これは大変、と思いました。すっかり忘れていた部分をゆっさゆっさと揺さぶられました。

監督・主演は弱冠25歳のグザヴィエ・ドラン。なんと19歳で監督デビューしたそうです。才能のある人っているんだなぁ、才能と若さでものすごいキレです。圧倒されてしまいました…。ため息、ため息。

チラシにあった「僕たちは、愛し方を学ぶ前に、嘘のつき方を覚えた。」というコピー、見終わって読むと、あまりに深すぎてめまいがしてきます。

物語は、恋人を亡くしたトムが、葬儀に出るところから始まります。そこは、のどかな田舎のトウモロコシ畑なのですが、だんだんそう見えなくなってくる。気がつかないうちに暴力を受け入れている…。

画面はゆっくりと淡々と進んでいくようで、肝心なところは見えない。隠されている感じ。言いたいけれど、言えないこと。だからこそ、余計に心に残ってしまう。という文学の手法を使っていると思いました。

映画に来ていたのは若い人ばかりでした。若いときに見たら、私ももっとショックを受けただろうなぁと、今回はしみじみ思いました。やっぱり若い人の芸術はいいなぁ…。