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物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

コレット『軍帽』 クッツェー『サマー・タイム』

 リチャード・ブローティガンの『アメリカの鱒釣り』を読み始めて、あれっ、このエピソードは知っていると思いました。たぶん、大昔、読んだことがあったのでしょう。たぶん、村上春樹の本を読んでいてブローティガンの名前に行き当たったのだと思いますが、たぶんまだ10代で、よくわからなかったのでしょう。

今回何冊か読んでみて、私は最初に読んだ『不運な女』が一番面白いと思います。もしかしたら、今の時代に合っているということかもしれないですけれど。

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で、今日はシドニー=ガブリエル・コレット(1873年~1954年) の『軍帽』を読みました。コレットというと『青い麦』というタイトルを思い出しますが、この小説もかなり記憶が薄れています。なので、読んでいて、すごく刺激的でした。同じ時代を生きたことがない作家とは思えないほど、女性の気持ちをリアルに感じることができました。

少し前に、読書会で村上春樹の『窓』という短編をとりあげたことがありました。22歳のペン・マスター(手紙の指導者)の青年と中年主婦の出会いの物語でした。

→ http://machienpro13.hatenablog.com/entry/2015/02/20/231022

それにちょっと近い出会いの設定です。登場するのも、45歳の女性と25歳の青年。ところが、全然違う物語なんです。あまりに違っていて愕然としました。…フランス人だからかな。

コレット、面白いです。今度、読書会でやりましょう。

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それから、少し前に読んでいたやたら厚いクッツェーの自伝的小説集の3作目「サマータイム」を読みました。

→ http://machienpro13.hatenablog.com/entry/2015/04/12/234125

やっぱり、この人は先生なんだなぁと思います。

30代のクッツェーに近い人物が色々な人によって描かれている小説ですが、その中に出てくるクッツェーらしき英語教師が、話者の質問に答える言葉が面白いんです。

「もしもぼくの授業哲学を説明しろというなら、説明しますよ。とても簡潔。簡潔かつシンプルです」

「どうぞ続けて」とわたしはいいました。「あなたの簡潔な哲学を聞かせてください」

「ぼくの教える哲学はじつは学びの哲学なのです。プラトンに由来し、修正を加えたものです。真の学びにいたるには、生徒の心のなかに真実に対する憧れ、ある炎がなければならないと考えます。本気で学ぼうとする者は必死で知りたがります。生徒が教師のなかに認めるのは、あるいは直感的に理解するのは、自分よりも真実に近い者の姿です。教師のなかに体現されている真実を是か非とも知りたいという欲望が強ければ、生徒はそこへ到達するため古い自分を焼きつくす覚悟をします。教師としては、生徒の内なる炎を認識し、奨励し、より強烈な光で燃焼させることでそれに応えます。かくして、二人はより高位の世界へ上昇する。そういうことです。」

確かに、先生というのはそういうものだと共感します。