物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

エレファント・ソング

 シャルル・ビナメ監督、グザヴィエ・ドラン出演の『エレファント・ソング』を観てきました。

この映画はひとりで観に行こうと思っていけれど、なんだか色々なことが重なって、メンバーと予想外の大人数で観ることになりました。…でも、みなさんと一緒で良かったかも。

『エレファント・ソング』の原作はやはり戯曲なのですね。主に舞台となるのは精神病棟の院長の部屋。入院患者である青年マイケルとグリーン院長との複雑な駆け引きによる心理劇がひとつの見どころになっています。その会話でのストーリー展開が見事と言うほかありませんでした。

存在感のあるグザヴィエ・ドランがピュアな感じで演じるのはやはりとても良かったのと、ダウン症の小さな女の子の演技がまた抜群。脇役ながらものすごい存在感でした。ひとりで廊下に出ることも許されないマイケルが院長の部屋にいるとき、廊下に繋がる扉から、その彼女が覗き込むのです。マイケルの病名はわかりませんが、こんなところから、マイケルがいかに正常かということが伺えます。ふたりが心を通わせる短いシーンには感動してしまいました。

最近の読書会でも青年期のことを考えていたせいでもありますけれど、ガンとくるものがありましたね。この年頃を思い出すと、身に覚えがないわけではありませんからね。

そんなふうに思うと、余計に自分がどれだけ長く生きてきたかと思い知らされます。