物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

読書会その1 J・マクドナルド「軽いお姫さま」 

さっき娘と買い物に行ったら、途中の道のあちらこちらにアザミが咲いていました。綿毛も飛んでいますね。アザミってすごくきれいなのでつい触りたくくなるけれど、気をつけないと鋭い棘で怪我をしますよね。

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と言っているそばから娘が触って「痛い!!」と騒いでいました。

「この花、ここまで鋭い棘をつける必要があるんだろうか? おかしいでしょ! 過剰でしょ!」

でも、だからきれいなんじゃないの。今度通るときにはハサミを持ってきて、パチンと切って持って帰ろう、と私は秘かに狙っています。パソコンの横に置いてしばらく楽しみたいと。

女性のイメージに、こういうのってありますよね。きれいなんだけれども、人の心を持たずに残酷というような。でも、というかだからこそに入れたい。

 

さて、読書会の報告がおそくなりましたが、個人的に時間がなかっただけで、読書会は中身が詰まって刺激的でした。

午前中のジョージ・マクドナルド(19世紀に活躍したイギリスの作家)の「軽いお姫さま」です。まさに、アザミのようなお姫様が出てきます。

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魔法で重さを失ったお姫様。体重だけでなく、心の重さも失ってしまうのです。悲しいことにもゲラゲラ笑ってしまうお姫様は、周囲にとっては不気味であり、可愛そうな存在でもあります。ところがお姫様は水に入ったときだけ体と重さと人の心を取り戻すのでした。そして、そんな水辺で王子様と、文字通り恋に落ちてしまう…。

ちょうど、小学生のお子さんに性についての難問を出されて困っているという近況報告をしたかたがおり、まさにそれに答えるような読書会となりました。

性教育というのは、おしべとめしべの説明をしても、具体的な行為を教えても、どちらも同じ一側面の話でしかないのかも。人を好きになるということはどういうことなのか、それを教えないと肝心なことは何も伝わっていないのかもしれませんね。

もちろん、誰もが恋愛をするわけではないのかもしれないけれど、いつ恋愛をしてしまうかはわかりませんから、こういうことを知らないのは、ある意味、危険かもしれませんよ。お姫様(女性)は意地悪なのではなく、無知なのかもしれませんからね。

どなたかの意見で、更年期以降と12歳の女の子のホルモンレベルが同だからどちらも距離のあるアイドル系異性に憧れる、と言われたのには度肝を抜かれました。確かに、そうかもしれないですね(そろそろ更年期が近づいてるメンバーが多いので、みなさん胸に手をあてて、気をつけなければ…と思いました)。

軽いお姫様が、水中では重さを取り戻すこと、水辺で王子様に会うことも面白いところです。水のイメージがエロティックだという意見もありました。恋には"落ちる”という表現がふさわしいという意見も。

恋に落ちるということが、まさに重さを獲得していくことなのですよね。私のイメージでは、恋愛というのはシーソーのようにお互いが少しずつ重さを増していくことのように思います。

 

すっかり長くなってしまいました。午後の読書会の報告はまた今夜にでも。