物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

「あお」と「うつ」

先日の絵本「あおくんときいろちゃん」を使ったワークショップをやったあと、メンバーと色の話になりました。色って何だろう? 私たちは色をどう認識するのだろう? 色はどう表現すればいいのだろう? 色というのは思ったより刺激がある。

それで思い出したのが、私がうつ病になったときのこと。私の場合ははっきりと原因があって、音をたてて心が壊れた感覚がありました。2002年の年明けの頃です。最初の半年間の症状はかなりひどくて、可能な限り布団に横になっていました。というか起きられませんでした。乳飲み子を抱えてもましたし、夫は単身赴任でしたし。

その後も、睡眠がとれないとか、食事をするのが困難とか、仕事の能率低下、人と会うのが負担など、一般的な症状がありましたっけ。

実は、色々なことを考えて判断した結果、私は病院に行かずに生活を改善して自力で治すことにしたんです。…まあ、基本的な体力があったのでしょうね。人にはすすめません、ものすごく辛いですから。

その頃、まだ私の表現手段の最初にくるのは絵を描くことだったんです。病気になってショックだったのは絵が描けなくなったこと。特に色が使えなくなりました。うつ病になってテレビが見られなくなりましたが(それは今も)公園の花壇なんかも苦手でした。色とりどりの花が、ナイフのように体に突き刺さってくるのです。

発病から半年後、試行錯誤してみたのですが、絵を描こうとすると、どんどん黒くなっていってしまうんです。ああ、もう絵は描けないかも…と思いいました。

その頃、たまたま色を使う女性のためのセラピーのワークショップに参加することにしました。パステルを使って、限定された四角の中に自分を表現するというものでした。

そのとき、使えたのが青い色でした。色があることがすごく嬉しかった。

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そんな時代もあったなぁと思い出しました。

うつ病が完治した(と自分で決めた)のは発病からちょうど2年後2004年のことです。色は今も、あまり使えませんけれども。その代わりに、文章表現を第一にしていこうと思いました。