物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

浦島太郎と青い麦

金曜日は読書会でした。
★子どもの本の読書会は、今回は昔話にしようということで、浦島太郎をとりあげました。
★ささやかだけれど役に立つ読書会は、コレットの『青い麦』です。

同じ恋愛を扱っていても、かたや300歳であり、かたや15歳と16歳。フランスの恋愛文化継承の仕組みなどを考えるとすごいなぁと思いますが、日本の昔話も、恋愛をしている間に300年というの、なかなかぶっとんでいますね。太宰治の『御伽草子』なども少し読んでみました。

読書会については、今回はメンバーのМさんが感想を紹介しますね。

▼ 昔話全集やいろんな絵本を持ち寄っての話し合いでしたが、こんなにもいろんなバージョンがあるのかと驚きました。

絵だけでなく、お話自体が全然違うものが出回っているんですね。なかでも、うらしまたろうは子どもの頃からなんとなく知っていたものと、この日読んだものとはずいぶん印象が違っていました。

もともとのお話は日本書紀の時代に遡るらしいのですが、今のお話の骨格ができあがったのはどうも明治以降のもののようです。西洋の文化を取り入れて富国強兵に突き進んだ明治の時代以降、教育的に教訓めいたニュアンスが含まれていたりほかのお話が混ざっているみたいでしたね。

子どもの時分、最後の場面は純粋におじいさんに変化したところが面白かったので、ああ三百年経ってたんだ~と思っただけで可哀想とか思いもしなかった。時代によって変化するのかと不思議に思いました。

コレット「青い麦」はレジュメでは原題は「麦の葉」を意味するフランス語らしいですが、日本人にはよく通じる「青二才」とかの「青い」という感じが作品をよくイメージする邦題になっているなあと思いました。

15、16歳の危うさというか、まだ先を見通せるほど大人ではなく、一つ間違うとどうなるかわからない状態に陥ってしまいがちなそんなこどもっぽさのある恋愛がよく描かれているなあと思いました。

男の子もそうだけれど、実際に身体的にも傷つく可能性のある女の子のこの年齢の頃の危うさに頭がいっていました。うちにもまだ小さいけれど娘がいるからです。バカンスの最後に兄妹のような関係から恋愛が少し進展してよかったと手放しで喜べないんですよね。

この先、やはり娘の身の危険を回避しなければならない配慮がますます出てくるわけで、そういう意味で性教育はしっかりしておかないとなあと思いました。

そうですね。色々な条件が重なって成立した二人の恋愛ですが、小説の後、この二人はどうなったのだろうと語り合いました。思春期、親だけでなく、周囲の大人はどうフォローしていけばよいのでしょうね。

そうそう、来年度、学生対象の読書会を定期的にやっていこうという話が出ています。皆さん、フォローをよろしくお願いします。