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物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

魯迅『故郷』

我が家は受験生を二人抱えており、疲労がたまっていますぅ…。現在、下の子どもの定期テスト中です(ため息)。

でも、昨日、子どもに国語の試験範囲の魯迅『故郷』を朗読してもらったら、これがとても面白かったんですよ。そうそう、ルントーとヤンおばさんが出てくるんですよね。懐かしいなぁ。私も、数十年前の中学で授業を受けたことを思い出しました。

そうか、魯迅かぁ。美しかったはずの故郷がすっかり変わってしまった感じ、この年、この時代になってからのほうが実感するのかもしれません。よくよく読むと、この物語はなかなか深いことに気がつきました。中学では、そこまで読解しませんでしたからね。

それで、最近出版された『魯迅と日本文学 漱石・鷗外から清張・春樹まで』(藤井省三 東京大学出版会)を手にとってみたんです。帯に「日中文学の系譜を探る、スリリングな一冊」とあった通りでした。

太宰治の小説「惜別」を再評価する章になるほど…と思ったのですが、「故郷」が訳によって誤読されやすくなっているのではないかと書かれた章には驚きました。「故郷の語り手「私」とその幼馴染みのルントーは、「シュンちゃん」「ルンちゃん」と呼び合っていたのだと思ったら、「シュン坊ちゃん」だったようなのです。

だとすると、記憶の中の輝かしい彼とは似つかないルントーに「旦那さま」と呼ばれて「私」が身震いするという意味が違ってくる?

いや、現在の訳でも読解できると思いますが、小説って作者と語り手を同一人物だと思ってしまうと、誤読してしまうのかもしれませんね。

というわけで、来年2月か3月あたりの読書会で、魯迅『故郷』をやりたいですね。