物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

ウクライナ民話『てぶくろ』

1月22日の午前中は〈子どもの本の読書会〉でした。

今回は、ウクライナ民話『てぶくろ』という絵本がテーマ。おじいさんが落とした手袋に、カエルやネズミからイノシシやクマまで入ってしまうという、50年以上読み継がれている名作です。何より、エウゲーニー・M・ラチョフによって丁寧に描かれた、明るくはないけれど、やわらかなタッチの絵が有名でしょう。

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物語は、言葉だけでなく、民族衣装を身にまとった動物たちが次々に手袋に入っていく絵で語られていきます。絵本というのは、言葉だけでなく、絵でも語っているというというのがよくわかります。

だって、おじいさんの小さな手袋に、そんなにたくさんの動物が入ったりするわけがないんですよ。そんなに色々な動物が仲良くくっついていられるわけがないんです。動物たちをよく見ると、それぞれの民族、貧富の差も描かれていて、それがどうして一緒に?と思います。

でも、だからこそ、みんな一緒に仲良くひとつの手袋に入ってしまうところに夢や希望があるのでしょう。だからこそ、あったかいのでしょう。

その飛躍こそが、物語の肝だなぁと実感しました。

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