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物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

「子育て世代集まれ!」「ロブスター」

昨日の生涯学習センター交流会、私たちが担当したのは「子育て世代集まれ!」という分科会でしたが、参加者は、子育てもそろそろ終わりそうな世代が中心。基調講演をしてくださった同世代の斎藤さんも語り合いの輪に加わってくださいました。

参加者の皆さんに、ペアになった2人で、ちょっとした縦関係と横関係を体感してもらってからの意見交換。

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夫婦仲良くあれば子どもは育つ、と言っても、何をもって仲良しと言えるのか? 嘘は子どもにはバレてしまう。子どもに何か「してあげる」のではなくて、親は自分の生きざまを見せることしかできないのかも、というような話になりました。
確かに、思春期から成人手前の子どもというのは、親にとっては別の意味で自分を試される時期でもありますね。

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それで夫婦仲良くしようと思ったわけではありませんが、今日は久しぶりに夫と2人で映画に行きました。これが夫婦仲良くなる映画では全然なく…。

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カンヌ映画祭で審査員賞を受賞したという『ロブスター』という作品。

チラシにあるように、独身者は45日以内にパートナーを見つけないと動物にされてしまう…という近未来の設定です。妻に逃げられた主人公は、すでに犬にされてしまった兄と一緒に、指定のホテルに送り込まれます。

このホテルがあまりに規則ずくめ、暴力が横行していて、どう考えても恋愛には不向きです。恋愛させようという工夫はあちこちに見られるのですが、どれも形式的。恋愛している証拠となるのも、2人の共通点です。足が不自由とか、鼻血が出やすいとか、髪質とか、近視とか。それこそが恋愛しない人の発想のように思え、怖くなりました。

情のない女性なども出てきますが、情がなければそもそも恋愛は成立しませんよね。

体制側は恋愛至上主義のようでいて、全然恋愛じゃない。恋愛しているというのは、恋愛していると嘘をつくことなのかも。嘘をつけない人は動物に変えられてしまう。それで主人公が選ぶのが、人とつき合わず細々と長く生きていけるロブスター。

一方、単身者が推奨される反体制組織もありますが、恋愛が禁じられており、恋愛しているとバレると制裁が加えられる。どっちも嘘をつかないと生きていけません。

普遍的ではないプライベートな理屈が取り入れられた世界に思えました。もしかしたら、身勝手なルールが受け入れられてしまうというのが、現代の普遍性とも言えるのでしょうか…。非人間的な設定が常識のようにとらえられる管理化された未来社会として、オーウェルの『一九八四年』やアトウッドの『侍女の物語』を思い出しました。

もしかしたらコメディということでただ笑っちゃえばいい映画なのかもしれませんが、恋愛…というか、人間関係がここまで信じられなくなってしまうのかと思うと、怖くて笑えません。

ラストをどう解釈するかによって映画の意味が変わってくるような。主人公の男が選択しようとしているのは、体制側とも反体制側とも違う選択なのではないか、と私は思いました。