物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

ラサへの歩き方

次号の読書案内「ピッピのくつした」の編集が始まっています。「漱石」と「猫」特集になります。

原稿の中で、どなたかが紹介文を書いていた中国映画「ラサへの歩き方」を観てきました。祈りの2400kmとサブタイトルがついている通り、ひたすら五体投地をして巡礼の旅をする実在の3家族の物語。ドキュメンタリーではなく物語もありますが、ドキュメンリーにかなり近いものです。

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昔、チベットにバックパックで旅しようとしていたことを思い出しながら「地球の歩き方」で地図なども確認。旅をなんでやめたかというと、高地での体力に自信がなかったからです。映画の中でも、呼吸困難になった旅行者が普通に出てきました。やはり、そういう場所なんですね。

巡礼者の中には、若い男たちから年寄りや妊婦や小さな女の子も含まれていますが、みんな明るく、あまりに健康そうです。中国と宗教って相性が良くないイメージですが、この映画はどういう意味があるのだろう、とやや不遜なことも考えてしまいました。ノスタルジー的要素があるのだろうか…と。

少し前に紹介したイーユン・リーの小説『独りより優しくて』の中で主要人物である男ボーヤンとつきあう若い女性が北京の古い建物の写真を撮っていたのを思い出しました。あの小説そのものが、著者による北京へのノスタルジーなのかもしれませんが。

明治時代に来日したモースが古い日本の写真を撮っておきたいと思った気持ちも、同じノスタルジーでしょうか。

自分自身が、かつてチベットを避けてシルクロードまで旅したときにもそういった気持ちがあったような気がするのですよね。