物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

卵を産めない郭公

今年も8月に社全協の全国集会があります。今年の開催地は神奈川県、会場は相模女子大です。その打ち合わせに、昨日はメンバーのWさんと橋本に行ってきました。社会教育は以前にもまして厳しい状況。今回は相模原市の方々のお話を聞いています。それから、図書館の話なども少ししました。

財政的にはどうにもならないのかもしれませんが、何が大事なのかを見極めていかないと。でも、それすら難しい。なんだろう、日本人にはめったに悪い人はいないのに、ちょっとストレスがかかるとお互いに空気を読みすぎてどんどんズレた方向に進んで行ってしまう怖さがあります。大きな集団でも、ごくごく身近な小さな集団でも。

日本語の曖昧さというのを私は好きですが、語調に流される前に、きちんと自分の頭で考えないとね…。

ここのところ村上春樹氏の翻訳を続けて読んでいます。今はレイモンド・チャンドラー「プレイバック」を読んでいます。例の、強くなければ生きていけない~というセリフが出てくる小説です。時代が違うせいかなかなか状況が理解できなくて時間がかかっています。

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その前に読んだジョン・ニコルズの「卵を産めない郭公」は60年代アメリカ東部の大学生カップルの話ですが、読んでいたら学生時代の気分をリアルに思い出しました。

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内気なジェリーとあることないことをしゃべりすぎるプーキーとの不思議にかみ合わない会話から物語は始まります。名門カレッジで再会すると2人はあっという間に恋に落ちます。初々しかった2人を加速度的に成長させ、関係の持ち方も変えていきます。この時代というより、若者の普遍的な恋愛が描かれているのだと思いました。

十分予測のつく結末…なんですが、男性と女性の立場の違いには今更ながらハッとしました。性的な立場として公平ではないというのはもちろんそうなんですが、そこを理解してもらえない苦しさを感じました。でも、作家は男性なんですよね。