物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

音声ガイド

 このあいだの日曜日、神奈川芸術劇場(KAAT)でダンスの音声ガイドをつける活動をする前段階の学習会&ワークショップに参加してきました。ダンスを言葉で説明するというのはちょっと想像がつきませんが、面白い試みだと思います。
 実際につくる活動に関わるのは残念ながら時間的に無理ですが、できたものを鑑賞してみたいなあと思っています。
 学習会ではまず、ラジオの野球中継のアナウンサーのかたと映画の音声ガイドの原稿を書いているかたとのお話をじっくり聞くことができました。さらに、視覚障がいのあるかたがたにもお話をうかがうこともでき、まったく知らない世界を垣間見る機会になりました。
 アナウンサーのかたの、その場の状況を言葉で描写していく技術、訓練法などは、小説を書く訓練にも応用できそう。そのひとつ、電車の中で描写を言葉にしていくというのは、美術系の人が同じことをすると聞いたことがあります。周囲に変な目で見られるというのはちょっと厳しいですけどね(笑。
 映画の音声ガイドについては、同じ解説原稿を複数のかたが朗読しているものを聞き比べました。上手く読めるかどうかということと関係なく、語る人によって情景がありありと浮かぶ場合と、そうでない場合にこんなに差があるのかと驚きました。
 これは、絵本読みや小説のの朗読にも同じことが言え、常々ひっかかっています。小説の場合は、読み手が内容をきっちり理解していないと聞き手に伝わらないのですよね。それだけでなく、情景を思い浮かべて語ると、なぜかそれが伝わってしまうのが不思議です。
 受講者からの意見にも、平板な読み方が推奨される絵本読みとの比較の話があって、考えさせられました。作りすぎるのもダメですが、平板な読みも好ましくないですね。そのへんの理解はなかなか得られないですが。
 視覚障害のかたは圧倒的に中途失明の方が多く、そういう意味では、私たちの誰もがいつそうなるかわかりません。でも、最初からのかたは、自分の持っている感覚で完全に世界を構築しているのだろうと想像しました。十代の若者が、肩を触っただけでその人がどういう人がだいたいわかると話しており、それは本当にそうなのだろうなぁと唸ってしまいました。
 色々勉強になりました。