物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

読書会の報告

だいぶ遅れましたが、せっかくPCを立ち上げたので21日(金)読書会の報告を少しだけ。

この日は午前中のリフレッシュお茶会も、桜庭一樹砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」というライトノベルの読書会をしました。

ライトノベルなので、ライトノベルのお約束事をリードにして読むものなんだなぁとところどころ思いつつ、虐待など家族問題はリアルなところがあったのでしょう。お茶会ですので、物語から離れて参加者の方々が自分の体験を語ることが多くなりました。こんなに身近に虐待やDVの事例があるものなのかと驚きました。

Twitterで知った加藤諦三「『五歳児の大人』とそのまわりの人のための心理学」という本も私は合わせて読んだのでテーブルの上に出しておいたら、多くのかたが手に取っていました。

加藤氏が自分の体験を小説に書いてくれたら色々なことが見えてくるのではないかという意見があり、なるほどと思いました。小説は視点をぶらしてはいけないところが難しいのだろうなと、小説とエッセイの違いについても考えさせられました。

 

午後はメインの石牟礼道子さん「苦海浄土」の読書会。第一部だけとしいうことでしたが、具体的な内容に入るには時間が不足していました。

これが事実だと思えば、水俣病の因果関係やその症状の描写などは読んでいてあまりに辛い気持ちになりますが、石牟礼さんの文章ではそれが読めてしまうこと。このボリュームを読ませるというのは、どう考えてもものすごい文章力です。

読書会で印象的だったのは、どうしてこのかたは自分の能力をすべて水俣病につぎこんでしまったのだろうというような疑問が出てきたことです。差別の構造、石牟礼さんのお人柄、小説を書く意味というようなことも考えさせられました。

午前中のまま「『五歳児の大人』~」が置いてあったせいか、人間がどう成熟するか、どいう育ち方をしたのだろうという話にも。最後は午前と同じ話題に行きつきました。