物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

グレート・ギャツビー

昨日は新しい参加者も迎え、フィッツジェラルドグレート・ギャツビー』の読書会でした。あらためて読んでみて、やはりすごい小説だなぁと思いましたし、読書会も刺激的でした。

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貧しい生まれながらお金持ちになったギャツビーと上流階級に生まれたデイジーの恋愛が目に着くけれども、そればかりでなく、また、それそのものもそんなに単純ではなく、何か大事なことが隠されている感じが濃厚なのです。

私はここ1、2年ほど、自分なりに創作をしようと思って、そのためにも自分の過去を振り返ることが多いのですが、結婚につながる恋愛をした時点から人生が決定的に変わったのは確かだなぁと思います。表現活動とか、自分自身の進むべき道を行くかどうかということに関してですけれどもね。

語り手ニックの目から見て、すでに結婚しているデイジーにギャツビーが執拗にこだわることは奇異に思えているのですが、だんだんと彼を理解し始めるのです。

「この男は何かを回復したがっているのだと、僕にもだんだんわかってきた。おそらくそれは彼という人間の理念のようなものだ。デイジーと恋に落ちることで、その理念は失われてしまった。彼の人生はその後混乱をきたし、秩序をなくしてしまった。しかしもう一度しかるべき出発点に戻って、注意深くやり直せば、きっと見いだせるはずだ。それがいかなるものであったかを……」(中央公論社 村上春樹訳)

それがいかなるものであったのか? なかなかそれがつかめるところまでは話せませんでしたが、なかなかスリリングな読書会でした。