物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

アントワーヌ・ダガタ「抗体」

友人に誘われ、Bunkamuraの隣の渋谷アツコバルーで、アントワーヌ・ダガタの写真展「抗体」を見てきました。

写真と言ってもフランシス・ベーコンの絵を思い出すような写真らしくない表現。暴力、麻薬、売春といったことが題材になっていましたが、大きなテーマが何かと言ったら、性的快楽なのでしょう。人間が生きていくときに必要なことをはずさずに押さえているといった印象を受けました。

それから、会場に靴を脱いで入ったときの板の感触と、1ドリンク500円で入場できるのですが、その氷や飲み物の音が、写真という表現の乾いた感じに適度に潤い…というか臨場感を与えてくれていました。良いシステムだなと思いました。

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先日「限りなく透明に近いブルー」の読書会をやったときに、性的快楽というものは現代社会では嫌悪の対象にされているのかもしれないと思いました。ダークな面もあるけれど、でも、生きていくのに大事なエネルギー源でもあります。否定したら、生きることを否定することになってしまう…。

写真は明るいものではないし、正視しにくいものもありましたが、こういう世界に生きているのだよなぁと妙に納得しました。

今、30歳の女性を主人公にしたささやかな短編小説を書くのに思い悩んでいたのですが、そのヒントの視点をひとつもらえた気がします。