物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

谷中安規展

昨日始まったばかりの町田市版画美術館の谷中安規(たになか やすのり 1897ー1946)展に行ってきました。すごく良かった。制作年順に展示してあったので、社会の変化と合わせて鑑賞することができて、それも面白かった。

関西出身の人ですが、東京に出てきて、1930年代に活躍した版画家です。関東大震災からモダンで華やかな東京が復興する一方、次第に戦時色が強くなっていった時代です。

谷中はちょうど50歳で亡くなっているのですよね。46年ということは終戦後すぐだなぁと思って略年譜を見たら、やはり栄養失調だったようです。亡くなる前ぎりぎりまで仕事はしているのにね。

さながらにお伽ばなしの旅のごとき一生をおくる我を描かん、という谷中の言葉が晩年の版画の解説にあって、そうなんだろうなぁと思いました。

そ作風は明るく自由で、題材もシネマとかロボットとか、はたまた仏教に関したものとか、幻想的で意味がわかりにくいものとか、予想以上に斬新でした。戦争が激しくなるほど、より幻想的で夢のある作風になっていくように見えました。

 

帰宅後、ピンポン、と誰かがやってきたので慌てて外に出ると、お母さんと小学生の坊や。「そこにあるのは、桑ですか?」と。「そうですよ」と言うと「やったー!ぼくが言った通りでしょ」と坊やが目を輝かせました。

最近、通学途中に葉をとっていく子たちがいると思ったら、今年もょうがッ高で蚕を育てているようです。

かつて、うちでも子どもたちが育てましたっけ。といより私が夢中になって、6畳一間が蚕の部屋になってしまったほどでした。それでつい桑の木を切らずにいたら大きくなってしまって。

「何匹いるの?」

「十数匹。でも、一匹死んじゃった」

「それは葉をたくさんあげたほうがいいよ」

「うん。たくさんもらって冷蔵庫に入れておく」

うちの伸び放題の桑は、子どもたちのお役にたてているようです。