物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

Living Behavior 不可思議/wonderboy 人生の記録

昨夜、急逝から3年ということで、ポエトリーラッパー不可思議/wonderboyのドキュメンタリー映画を観てきました。

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アーティストとしての彼の姿を残しておきたいという制作者の思いや協力者の善意でできた映画。制作費は8万円だと聞いてびっくりしました。チラシには〈前代未聞の「ファンによる自発的配給」にて全国で上映中!〉とあります。

今は表現活動をするのが難しい時代だと思うけれど、こんな形でできることもあるんだなぁと目からうろこでした。ライブハウスでの上映などもあり、出演依頼をもらうのと同じだと。私が昨夜観に行ったのは、普段過去の名画を観ている青山学院のゼミの人たちが企画した上映会でした。

映画からは色々考えさせられたのですけれど、一番思ったのは、人間かにとって言葉がいかに大事かということでした。

私は亡くなるまで彼を知りませんでたが、実は、彼が亡くなったときのことはなぜかよく覚えています。3・11の少しあとのこと、ライブハウスで詩を朗読したことがある夫が「若い詩人の葬儀に行ってくる」と言って出かけていったのが妙にひっかかったのです。どんな人なのか、とは聞いたと思います。

あの当時、一体自分はこれから何をしていけばいいんだろうと頭を悩ませていました。真面目に小説を書こうかとは思い始めていましたが、詩を書こうなどとは思ってもみなくて、でも、彼の作品をひとつも知らないまま、彼の死がひとつのきっかけとなって私は詩を書いてみようと思ったのでした。

不可思議なことですね。

それから、明日(5月29日)の読書会のお知らせをしておきます。

▼10:00~12:00 子どもの本の読書会

…なのですが、今回は子どもの本ではなくて、イスラエルの作家エトガル・ケレットの「パイプ」(秋元孝文訳)です。「早稲田文学」2014年冬号に掲載されたごくごく短いものです。朗読を聞いてから読書会をします。

かつて、若き日のケレットが兵役についていたときに一気に書き上げた、最初の超短編小説です。イスラエル語で書いて、A4一枚にプリントアウトできたそうです。20代前半の作品だからなのか、不可思議/wonderboyの世界観とちょっと共通します。あちらの世界へ行ってしまうお話なんです。

▼13:30 ささやかだけれど役にたつ読書会

夏目漱石の「夢十夜」をとりあげます。どんな話になるでしょう。できるだけ自由に語り合えるとい良いかなと思います。