物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

読書会とは?

私たちの活動の柱になっているのは読書会です。

「読書会って何?」という質問をよくされます。読書会がどのように行われているか説明してほしいと言われます。

簡単に手順を説明するとこんな感じです。その日にとりあげる本を、参加者それぞれがあらかじめ読んできて、担当者のレポート発表の後、そのレポートを足掛かりに司会者をたててみんなで話し合います。

発表されたレポートによって、司会者のもっていきかたによって、参加したメンバーによって、流れは変わります。

面白さはどこにあるかというと、自分とはまったく違う読み方をした人の話を聞くことによって、自分に見えていなかったことを発見できること。読み方って、人によってだいぶ違っているものなんです。明らかに間違った読解をした場合は、違っているよと教えてもらえます。

そうしてディスカッションをしているうちに、「これは謎だ!」と思っていたところが突然解けたり、自分ひとりで読んでいたときには色あせてしぼんで世界が、膨らみ、広がり、深みを増していきます。

ここまででも十分面白いのですが、実際に、役に立つのはこの後。自分ひとりでは見えない部分を見るということは、実生活にも生かすことができるかもしれません。人間、誰しも大なり小なりのトラブルを抱えているものですが、トラブルの裏側のからくりが見えてきたり、違う視点で見ることで意味合いが180度変わったり。うまくいけば、トラブルを解消できるかもしれません。

そう考えると、読書会って、生きるための知恵を学ぶためのものなんじゃないかなと思います。つまり、この困難な時代をサバイバルするためのものです。

もちろん、文字さえ知っていればひとりで本を読むことでもできますが、読解は個人の能力がに左右されてしまうところがどうしてもありますよね。その点、読書会では、自分に見えない死角は他の人に教えてもらえます。つまり、参加者で誰が読解できるか競争するのではなく、参加者がそれぞれ補い合い、助け合って進んでいくのです。

「読書会って何?」という質問には、読書という趣味を共有する活動を繰り返しやることに意味があるのだろうか、という疑問も含まれているかもしれませんね。

でも、上記の説明でわかるように、趣味の活動ではまったくありません。

「読書会って何?」という質問をした後に、難しそうで参加できないと言われることもたまにあります。うーん、でも、別に難しいことはないかも。

逆に、簡単に読解できて、解釈できて、自分に必要な情報をいくらでも取り出せる人に読書会の必要はないかも。本を読むのが難しいと思う人が参加するから、面白いのでしょうね。