物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

マジカルガール

GWに登山などされている方々もいるようですが、怠け者夫婦はまた映画に出かけました。観たのは、スペイン映画の『マジカルガール』です。

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予想外に人が多くて驚きました。たぶん、アニメなど日本の文化が描かれているからでしょうか。ちょっと不吉とも言える紹介のされ方ですが、それでかえってリアルに日本のアニメっぽかったです。

12歳の白血病の少女が夢中になっている日本のアニメのコスチュームを手に入れようと元教師(失業中)の父親が無理やりがんばってしまうという前半。この少女が重要な人物かと思ったら、そうではありませんでした。

昔、12歳のときに教師を陥れた経験があるらしい人妻が、物語の鍵を握っています。夫は精神科医で、何やら病と秘密の過去を抱えているらしいこの妻は、薬を服用しないとまずいらしい。

たぶん、境界例とか、反社会的人格障害とかそういうのだと思いますが、だいぶ年老いたこの元教師は善人すぎてつい彼女に関わり続けて自分の人生を台無しにしています。関わってしまうとヤバいところまで関わってしまうんですよね。

これに対して、夫である精神科医は危険なところまでは関わらない。なんなんでしょうね、この関わり方の違いは。精神科医はプロだから、というだけではないような気がします。

人妻の病も問題でしょうが、それよりも彼女に関わることを自制できないで自分ルールで暴走する元教師の問題のほうが現代的な病かもしれません。大人になっていないんでしょうね。そういう意味では、白血病の娘への愛情をコスチュームを買ってあげることで証明しようとする元教師の父親も同じ現代的病ですね。

先日観た『ロブスター』と近いテーマでした。現代、成長したり大人になったのするのが困難なのでしょうか…。

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映画館の裏には、たけのこが生えていましたよ。