物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

裸足の季節

帰り道、久しぶりに絵に描いてみたいなぁと思った夕焼け空。

昔はすぐにスケッチブックをとりだして描き始めたものですが、今は面倒なので描きません。でも、絵を描きたいなぁという気持ちになることで、なんとなく充足するのですよね。どういうことなんだか…。

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手っ取り早く気持ちを充足させるものとしては、映画も有効。

先日、娘と2人で『裸足の季節』という映画を観ました。トルコの女性監督デニズ・ガムゼ・エルギュヴェンのデビュー作だそうです。トルコの片田舎に暮らす五人姉妹が、両親に先立たれ祖母に自由に育てられていますが、叔父の意志で、ほぼ自宅監禁の状態に。そこで花嫁修行をさせられる…という内容。

ここでの結婚は、男性側の父親が女性の家を正式に訪ねて求婚するという古いしきたりに則っています。日本のお見合いに近いシステムみたいなものか。大都会のイスタンブールが逃げ場のように描かれていたのですが、現代のネット社会にあってもやはりそういうものなのでしょうかね。

観ていて思ったのは、恋愛する人にとっては自由意志を無視されるのは人権侵害かもしれないけれど、恋愛しない人にとっては必要な仕組みなのかなぁと。自分にとって適したルールを他人にも無理やりあてはめようとしたり、どっちかじゃなければダメという一律の縛りをつくるのが良くないのではないかと。

監督は脚本にも関わっているらしく、女性らしい視点が新鮮でした。女性の目から見た男性象が妙にリアルだったり、憤りからの攻撃が他者ではなく自分の内側に向っていくところなど。