物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

ジョージ・オーウェル「象を撃つ」

 8月26日(金)18時から町田市文学館ことばらんどで、高校生から20代の若者を中心とした読書会があります。読書会の名前は〈流動的読書会〉になったもよう。

テーマは、あの「一九八四年」で有名なジョージ・オーウェルの短編「象を撃つ」です。最初に朗読をしますので、当日とびいり参加も大丈夫です。

 * * *

先週19日(金)の午前中は子どもと大人と一緒に「ものがたりの中に入っちゃおう」演劇ワークショップを行いました。テーマは誰もが知っているイソップ童話。大人は昔繰り返し読んだ記憶がある人が多いと思いますが、色々なところで引用されているので、子どもたちもよく知っています。子どもと大人混合のグループに分かれて、色々なお話しを次々演じていきました。「うさぎとかめ」「金の斧、銀の斧」「ねずみの会議」「うそつき少年」など。

その中でちょっと衝撃的だったのが、父親と息子とロバとで歩いていくお話。

最初は三者それぞれ並んで歩いていくと、すれ違う人に「おかしな人たちだ、なんでロバに乗らないんだろう」と言われる。そこで、息子がロバに乗る。すると、また別の通行人に「なんておかしな人たちだ、年とった父親を乗せないのか」と言われる。で、慌てて息子がおりて父親が乗る。すると今度は「なんておかしいんだ、大して年をとっていない父親だけがロバに乗って」と。そこで2人とも乗ってしまう。で、「なんておかしな人たちだ、ロバがかわいそうじゃないか」と言われる。考えて、2人は一緒にロバをかつぐことにする。すれ違う人々は「なんておかしな人たちだ」とびっくり仰天。苦しくて暴れたロバは川に落ちてしまいましたとさ。

自分の考えを持たない人は、何もかもうまくいきませんよ、ということなのでしょうか…。午後のテーマとも関連しているように思えました。

f:id:machienpro13:20160820131200j:plain

午後の〈ささやかだけれど役にたつ読書会〉は夏目漱石の「三四郎」がテーマでした。熊本から出てきた若者である三四郎が、故郷とは違うルールで動いている東京で、どうやって自分自身の考えを持ったらよいのかという悩みが、青年期の自我の確立と、世界の中で明治の日本がどういう立ち位置をとるか、ということと重ねて描かれているようでした。長い物語なので、語り切れなかったところが多々ありますが、だいたいこんな読みだったのではないかと。

個人的には、三四郎と、彼が思いを寄せる美禰子とのやりとりの部分が新鮮で、若い頃の漱石の思いに触れた気がしました。