物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

ひたすら、国道6号線。

日付が変わってしまいましたが、昨日、高校演劇の関東大会に行きました。茨城の清真学園高等学校 「ひたすら、国道51→6号線。(仮)」を観たいなぁと思ったもので。きちんと現在の茨城の視点につくりなおされていて、胸にくるものがありました。

この作品は新宿高校の髙木優希さんの作品で、ちょうど震災があった2011年の都大会で上演されたのでしたっけ。

私はこのときの都大会せっかく足を運んだのに、最初の上演だったこの作品を見のがしてしまい、最後の講評で審査の方々の話を聞いてめちゃくちゃ気になってしまいました。

このときの審査員は前田司郎さんがおられ、お話が非常に明確だったのが印象に残っています。「濡れた太陽」が出版される半年前のことです。

脚本の質の高さは話を聞いているだけで伝わってきましたが、ただ、震災からまだ間もないこともあり、それをテーマにしたものは審査員の方々はそれほど好意的ではなかったような気がします。どう表現してよいか混乱している時期でしたから。

でも、他にも劇を見て気になったかたが多くおられたのてしょう。翌年の3月に被災地の舞台表現を支援するプロジェクトで、福島の相馬高校と郡山のあさか開成高校と一緒に都内で上演されました。私が見たのはこのときです。

確かに震災を扱っているのですが、そこには不自然な目線はまったくなく、あまりに地に足がついた表現であることに共感しました。まだ混乱しているにしても、その状態を自分の立ち位置(新宿)から見ようとしているところに。

私は2012年の春から創作を本気でやろと考えていましたが、「ひたすら、国道6号線。」はまさに私の背中を後押ししてくれた作品でした。

その高木さんの脚本が上演されるのを見て、初心を思い出しました。勇気づけられました。