物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

オネイロスの伝言

昔、学生の頃に読んでひっかかっている小説があるという話をしたら、友人が国会図書館で調べてコピーしてくれたのです。ありがたいことです。多謝。

有為エンジェル「オネイロスの伝言」という作品です。雑誌「群像」の1984年3月号に掲載されたものです。30年以上前に読んだきりなので、記憶もあいまいになっていました。

そうそう…ということは私はまだ10代でした。確か、大学の図書館で偶然目にとめて読み始めたのでした。

元美術教師で浮気性の父親と古風なようでドライな母親。その間に生まれた、不思議な透視能力を持つ空海という少年の物語。空海は高校生になると、大人たちの上におぞましい幻を見るようになります。

この幻覚が、まるで「サルチネス」なんです。

読んでいて思い出したのは、10代の頃の私にも、こういうのが見えていたということです。それで、この作品が忘れられなかったのですね。そういうことだったのか…。

まだぎりぎり10代の行き詰った自分をリアルに体験しました。いやぁ…(汗。