物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

癒しの読書 その2

演劇ワークショップをやっていていつも思うのは、子どもたちがごく普通に自然に遊べていれば、こんなことをわざわざする必要はないのになぁということです。

子ども時代の私は、断然アウトドア派でした。ほとんどの時間を外で過ごしました。我が家は、横尾忠則さんのように本のない家でしたが、横尾さんのように模写もせず(夜は工作をしたり絵を描いたりしていました)暗くなるまで外で遊んでいました。コウモリが飛び交うのと一緒に大勢で走り回りましたっけ。

どちらかというと貧しい家庭に育ったので、そのせいで病弱だったところはあるかもしれませんが、知的なことを学ぶには恵まれていました。大人に干渉されず、子どもたちで問題解決する機会が与えられていましたので。何が危険か、やってはいけないことは何か、意見や能力の違いがあるときはどうやって仲良く遊ぶか。人間として身につけるべき知性は、小学生までに学んでしまったのではないかと。

そんな意識だったせいか、この本が出たときは逆にもうそれはいいという気持ちがあって手にとりませんでした。まあ、なんというか、そういうことは本で学ぶことではないと思っていたのでしょう。

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でも、癒しを求めて新しい版のほうを読んでみました。ロバート・フルガム著「新・人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」です。横尾さんと同世代のフルガム氏は何を学んだのか。

何でもみんなで分け合うこと。ずるをしないこと。人をぶたないこと。使ったものはかならずもとのところに戻すこと。ちらかしたら自分で後片付けをすること。人のものに手を出さないこと。誰かを傷つけたら、ごめんなさい、と言うこと。」
「おもてに出るときは車に気をつけ、手をつないで、はなればなれにならないようにすること。」

なるほど。いまや、新鮮に思えます。

気を良くして、少し勉強もしようと、この本も手に取りました。ついでにアメリカンチェリーパイフラペチーノなるものを頼んでみたりして。人生、前向きに。

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