物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

読書会、ありがとうございました。

 5月26日に3つの読書会の紹介を少しだけ。
 午前はドクター・スースの絵本『きみの行く道』、午後は私の拙作『沼から戻る』、夜はミランダ・ジュライの『水泳チーム』でした。
 全然違う3作品ですが、感想を話し合ってみると、なんとなく関連しているようで面白いです。どんな物語にも問題を解決しようとする要素が入っているものですが、強引に飛び越えてしまうという方法が描かれているようでした。
 自分の作品について自分で解説するのはまずいと思いますので、いただいた感想を紹介いたします。
 
 ミランダジュライの『水泳チーム』のとき、飛躍する読み方と、整合性から入る読み方と、両方あるんだなと。そう気づいてから、『沼から戻る』の読書会を思い出すと、小説内のものの見方の特徴が際立つと思いました。
『沼から戻る』は「わたし」の臨死体験が書かれているということで物語の構成として辻褄はあっているのですが、その行った場所「沼」がリアルなので、私はそれを夢というよりも実際にそこにいると思って読んでしまいます。でも、「わたし」は生死を彷徨っているので、こっちからあっちへの行き来があり、迷子にならずに戻ってこれるようになっているように考えられている作品なんだと思いました。
 
『沼から戻る』で、「二人はいい時間をすごして歳を重ねたんだな~」という感想があったのが印象に残っています。表層的な小説を流れる時間は、病室での限定的な時間のはずなのに、二人の人生の何十年という時間を想像できるのですね。
 
夜の読書会は、見ていた世界がこんなにも鮮やかに変化して拡がることを体験できるなんて思ってもいなかったです!
 
ありがとうございました。自作を気持ち良く朗読もさせていただきました。今回は二回目だったせいか、沼のほとりまで行けたかも。朗読も憑依ですね。