物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

クリスマス会

大昔、中学に入学してすぐの頃、出席番号順の席に座っていたときに近くに座って仲良くなった男女4人ずつの8人で、クリスマス会をやったんです。

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クラスで開催するはずだったのが先生に禁じられて、「それなら自分たちでやればいいんだよ」とメンバーの中心にいた友人が言ったらしいけれど、私の記憶にはありません。あまりに昔の話です。

とにかく、その友人が自宅を飾りつけてクリスマス会は開催されました。素晴らしいごちそうがたくさん並んだ、中学生にしては豪華なクリスマス会でしたが、私は小さな弟を連れて出席。他にも弟を連れてきた人がいました。当時は小さな弟の面倒を見なければいけないという意識が強く働いていたのでしょう。

そのうえ私はその中に好きな男の子がいたので、彼のことばかり気にしていました。友人はそんな私を見かねて、プレゼント交換ではその男の子のプレゼントが渡るように気を遣ってもくれました。

その後、クリスマス会は恒例になり、確か高校一年生のときには私の家が会場になりました。2回目以降は6人になって、高校を卒業するくらいまで続いていたような気がします。それ以降は、みんなあちこちに分散したり、私は気持ちが地中に潜って現世を忘れていました。

ところが、ちょうど1年くらい前、地元に変らず暮らす友人から「実はね、クリスマス会は今もやっているんだよ。開催されなかった年はない」と打ち明けられました。えっ、嘘でしょ!と私は声をあげました。だって、うん十年たっていますからね。

今日、その友人が「今年のクリスマス会はいつやるの?」と突然言いました。会話があまり通じなかったので、その言葉に安堵しました。日付の感覚がないと聞いていたけれど、クリスマスってわかっていたんだなと。友人は今年の春に倒れて、今月から介護施設に入っているのです。

「クリスマス会は今日ここで」と言うと「え、そうなんだ。ここでするんだ」と。

もうひとりの友人が「だから来たんでしょう」と言い、大きな荷物を紐解いてお菓子やプレゼントを出しました。テーブルはなかったので、ベッドに2人、車いすに1人座って。

ピカチュウがサンタの扮装をしたぬいぐるみは棚の上に置きました。

「クリスマスカードよりも、こっちのほうが派手だと思って」と友人。実は、彼女が中一のときにメンバーの中心になった人なんです。うん十年たっても、その役割は変わらないんだなと思いました。

だとしたら、私の役割は何だろう? 最近、そういうことをよく考えます。

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公園の枯れ葉の中に蝶が一匹。モルフォ蝶ではなく、もっとずっと小さなムラサキシジミです。