物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

「みずうみ」読書会

先週の金曜日に読書会がありました。

ここのところ、最近出版されたもの、特に翻訳文学やを続けてとりあげてきたせいか、新潮文庫川端康成「みずうみ」がこころなしか手に馴染んで好もしく感じられました。ただし、意外にも安心して読めるとは言い難い作品。

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実は、私も読んだことがなかったのですが、何人かの人。

主人公は元教師の桃井銀平という青年。彼は直観的に惹かれた若い女性のあとをつけてしまうという性癖を持っています。今で言えばストーカーなのでしょうが、物語の舞台となっている終戦後10年の東京でも、かなり危うい存在。教え子と恋愛関係を持って学校を追われてしまったのです。

でも、いったいどこまでが現実なのか? どう解釈したらよいのか?

これは変態だと思うという意見もあり、いや、昆虫が姿かたちを変えるような変態ではないかという男性参加者の見方もありました。どちらにしても、男性の読み方は作品を読み解くヒントになりました。

 

今後しばらく古い文庫を読んでみようということになり、来月は谷崎潤一郎「異端者の悲しみ」、再来月は田山花袋「蒲団」を取り上げる予定です。