物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

みんなで作る演劇ワークショップ

昨日の図書館まつりでは、ピッピのくつしたのワークショップ「ものがたりの中に入っちゃおう」(ひとりだったら5歳以上)と読書会(中学生以上)を開催しました。

図書館まつりはまだ今日もビブリオバトルなどイベントが残っていますし、展示もありますのでお楽しみくださいね。私もあとで顔を出そうと思っています。

ここでは昨日の「ものがたりの中に入っちゃおう」WSの報告を。

ピッピでやっている演劇ワークショップは完全オリジナルのもので、毎回新しいプログラムを考えています。実は、今までほぼ私がひとりで構成を考えてしまっていたのですが、去年の図書館まつりでは子どもたちや学生さんたちとエンディング公演をワークショップでつくるという試みが成功したことに味をしめ、今回は試みにプログラムを作るワークショップで内容を考えてみました。年齢のせいか一人で背負っていくには重すぎますので、この形が定着すると、もっと気楽にできるようになるかも。

思えば、ピッピが演劇に足を踏み入れてしまったのは、ここの場所(図書館ホール)でメンバー何人かが平田オリザさんの講演を聞いたことがきっかけなんです。

自分たちもやってみたいとオリザさんにお手紙を出し、紹介していただいた演出家わたなべなおこさんのワークショップを受けるように。初期は演劇公演をめざしていましたが、多くの人に演劇の楽しさを知ってもらうには演劇ワークショップのほうが効率的かなと考えるようになりました。

ワークショップは最初、学んだノウハウをそのまま使っていたのですが、近年は自分たちの読書会からヒントも得て自然とオリジナルのものになっていきました。一番のポイントは、表現することより体感することに重きを置くことです。(だから、厳密に言うと演劇ではないのかもしれません。)読書の面白さも、どれだけリアルに体感できるかに尽きると思いますので。体感できるから、本当に心が動くのですよね。

前置きが長くなってしまいました。

昨日とりあげた絵本はジョン・バーニンガム「いつもちこくのおとこのこ ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー」という子どもたちには人気の絵本。でも、どうしてこれが人気なんだろうとかつて小学校で読み聞かせをしていた頃は不思議に思ったものです。小さい子どもには難しいのではという懸念を持ちつつ、演劇ワークショップで理解できるのではないかととりあげてみることになりました。

実は、この絵本をみんなで演じるというより、この絵本を理解する前段階にどんなアプローチをするかが大事なところです。絵本の扉を開けるためのいくつかのウォーミングアップゲームを重ねました。

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最初は初めて会ったみんなで距離を縮めるゲーム。これは変則椅子取りゲームです。人と人の間にある垣根を一時的にとっぱらいます。

想像力の感度を高めるために見えないものを空想するゲームをしたのち、今回新しく考えた冒険歩きゲーム。これも行って帰ってくるひとつの物語とも言えます。

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途中、みんなで泥んこの中を歩いているところ。お父さんお母さんがしっかり感じてくれていると、子どもも安心して感じられます。

そして、今度は誰もが知っている昔話の中に入ってみよう。ということで、皆さん旅人になっています。

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休憩ののち、やっと絵本の朗読。みんなが真剣に聞いてくれていると、読み手としも物語が体感できて怖いほどですよ。大人は集中力がないので子どもはもっと集中力がないと思ってしまうのですが、逆なんですよね。

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ということを積み重ねると、絵本の世界を体感している様子も、こうして写真で見るだけでも臨場感あふれています。

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見学に来てくださったかたに「これは大人も体力使いますね…」とため息をつかれてしまいました。