物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

「しんせかい」読書会

先週金曜日の編集会議の直後に熱を出して以来しばらく寝込むことになり、その後もなかなか本調子に戻らず一週間が過ぎてしまいました。やはり歳をとると治りにくくなるのですかねぇ…(T_T)

山下澄人さんの「しんせかい」は、今回の読書会のために再読したらめちゃめちゃ面白かったのですよ。皆さん、どのように読んでくるのだろうとドキドキワクワクしていました。

山下さんは富良野塾の二期生。そこを舞台にした私小説ということで、19歳の目を通した世界と50歳の現在の著者の視線が交錯する感じがリアルで刺激的でした。私を含めて、読書会に参加された方々が主人公「スミト」と同世代ということもありました。

読書会に入る前に、倉本聰のテレビドラマ「北の国から」をどう見ていたか(または、見ていなかったか)という雑談で盛り上がりました。意図したわけではなかったのですが、ここで時間をとったことが作品の読解に少しずつ響いていく形になりました。

それから、今回の参加メンバーに、役者、最近シナリオを書く勉強をしている人、アートで表現する人などがいたので、作品から思い切って離れた表現活動に対する意識の違いを議論することにもなって、これも自然と読解に反映されることになったのです。

横道にそれた話もずいぶん出ましたが、それも不思議と「しんせかい」の読解を助けることになりました。なんでしょうね。たぶん、30年も昔の北海道を舞台にしているのだとしても、現代の私たちに超関係のある物語なのでしょう。以前、文学館ことばらんどでの対談を拝聴したときに作家の山下澄人さんが「超本当のこと」と言っていたのを思い出しました。

読書会は30分延長になりましたがまだまだ話し足らず、片付けをしながら続き、その後カフェでお茶しながらも続くことになりました。こんなに手ごたえのある読書会は久々でした。