物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

ウトヤ島、7月22日

先日、エリック・ポッペ監督の映画「ウトヤ島、7月22日」を、1人では勇気がなく友人たちと観ました。
動機としては、わりと近い地域で起こったやまゆり園の事件の裁判、記事を読むほどやりきれない気持ちになってしまって、もう少し理解したいと思ったのです。さすがにここまで行動を飛躍させていってしまうことはほとんどないとしても、そのベースとなる心理は身近なところにもないとは言えませんから。
2011年のあの事件、日本では震災のあった年なので記憶に特に強く残っています。たった1人の犯人によるノルウェーの連続テロ事件の2つめの銃乱射事件をもとにした、ドキュメンタリーではなくフィクションです。
警官の扮装をした犯人が島にキャンプに来ていた大勢の若者たちを銃で撃ち続ける様子が、狙われる側の視点で、ワンカットで撮られています。

映像の中の若者たちが仲間同士で逃げたり、助け合ったりする心理がすごくよくわかる。いざというとき、自分の身を守ることと、他者を助けるということの違いはそれほど大きくないのかな、とも。
かなり丁寧に、リアルにつくられているので、観ているときに友人が近くにいても怖いには怖いです。でも、1人でなくて良かったと思いました。

そして、この映画を観終わったときに、犯人に対して抑えられない怒りに燃えるのはわかるとして、感じるかもしれない別の環状や居心地の悪さについて考えてしまいました。
強いものに従ってしまう人間の弱さみたいなもの。そういうものが、事件が起こるベースにあるのではないかと。