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物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

若い読者のための短編小説案内

「若い読者のための短編小説案内」を読み終えました。

 私の場合は、ここで取り上げられている短編小説をまず読んでから、村上春樹氏の文章を読みました。手元に短編小説を全部用意してから読み始めたので、交互に読むリズムで通しました。

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 でも、先に小説の紹介文を読んだら別の面白さが味わえたかも、と小島信夫「馬」の章を読んだときに思いました。この小説があんまり奇妙な物語だったからかと思いましたが、この後に紹介された小説も、作家の代表作というよりはそれぞれ際だった特徴のあるものばかりだったで、条件は同じかもしれません。
 それが面白かったとも言えますけれどもね。どっちが先のほうがよいかは、人それぞれでしょうか。
 後半は、庄野潤三「静物」、丸谷才一「樹影譚」、長谷川四郎「阿久正の話」です。前半の3人の作家の小説は何作も読んだことがありましたが、この方々の小説はほとんど読んだことがありませんでしたので新鮮でした。村上春樹氏の文章と一緒に読めるというのも、とても贅沢です。もう、ものすごい満腹感です~(笑。
 この短編小説案内は、プリンストン大学とタフツ大学で授業をしたときに学生と一緒に日本の短編小説を読まれたことと、この本を書くために文藝春秋社で編集者のかたがたと同じように読まれたことを土台にしているようです。
 方法は、まず参加者がテキストを読んできて、村上氏が発表し、みんなでディスカッションするというやりかたらしく、私たちの読書会とほぼ同じではないですか。
 参加者にお願いしたことが3つ「あとがき」書いてあり、これも、私たちの読書会と同じだと思いました。いえ、強制ではありませんが、これをするととっても面白いですよ、ということです。
 
「ひとつは何度も何度もテキストを読むこと。細部まで暗記するくらいに読み込むこと。もうひとつはそのテキストを好きになろうと精いっぱい努力すること(つまり冷笑的にならないように努めること)。最後に、本を読みながら頭に浮かんだ疑問点を、どんなに些細な事、つまらないことでもいいから(むしろ些細なこと、つまらないことの方が望ましい)、こまめにリストアップしていくこと。そしてみんなの前でそれを口に出すのを恥ずかしがらないこと、である。」
 
 本当に、その通りだと思います。
 
 引用されている本を読まないと落ち着かなくて中断していましたが、これで安心して「みみずくは黄昏に飛びたつ」を読むことができます。

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