物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

図書館の演劇ワークショップ & おみおくりの作法

今年も町田市図書館こどもまつりが始まりました。

ピッピのくつしたでは、2つの企画を用意しています。

【企画1】3月28日(土)10 時半から12時、中央図書館6階ホールで「絵本の中に入っちゃおう!!」演劇ワークショップを行います(受付は10時から)。簡単なゲームで体と心をほぐし、演じることで絵本の世界に入り込んで物語の醍醐味を味わってみたいと思います。

対象は5歳~小学生(小学生未満は保護者と一緒に参加をお願いします。)演技が得意かどうかは関係ありません。大人のかたの見学もOKです。

【企画2】3月28日(土)13 時半から15時中央図書館6階小集会室で、村上春樹の作品を朗読後「読書会」を行いたいと思います。対象は中学生から大人です。

何を読むかはお楽しみです。親子での参加も歓迎いたします。

 

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さて、夫にすすめられて『おみおくりの作法』というウベルト・パゾリーニ監督のイギリスの映画を観て来ました。地味な感じがしたのでそんなに期待していなかったのですが、とても良かったんです。

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民生課の役人ジョン・メイ(44歳)の仕事は、担当地区で亡くなった身よりのない人が何者なのかを調査して身内に連絡すること。また、葬儀まですべてを済ませること。こんな設定とタイトルから、なんとなく日本の別の映画を連想したのですが、全然違っていたのでびっくりしました。原題が『STILL LIFE』です。

まず、この地味で律儀な役人の人柄の演技が深くて良かったのですけれど、私が関心を持ったのはストーリー展開です。映画紹介などに衝撃のラストに感動というような言葉があったのですが、私はむしろラストより少し前に感動しました。

というか、つい泣けてしまいました。それはちょうど、ハッピーとアンハッピーのエンディングへの分かれ道です。そのちょっとのことが大きく人生を変えていきます。

でも、その人生はままならないという物語を目の当たりにした、その時の自分の感情というのが、悲しみなのかというとそうではなく、静かな安堵なんですね。その自分の心の動きを観察して、アンハッピーエンドの不思議な効果を考えさせられました。

この映画、現実の新聞記事から着想を得たらしいですが、そこには監督の人生感が大きく影響しているようです。パンフレットを読むと、離婚して孤独を味わい、ひとりで死ぬことがどういうことなのか考えるようになったと。

映画の途中、机に座ったジョン・メイの姿からひとりきりの生活が実感できた瞬間があり、私はひとりで生活したことがないのですが、妙に共感してしまいました。この感覚は、独身だから感じることではなくて、たぶんすべての人が感じる感覚なんですよね。そして、別に嫌な感覚というわけではないのです。

そんなことを思うのも、50歳を過ぎたからなのかなぁとは思いましたけどね。やはり、40歳を過ぎたときに感じた人生観と今感じていることは大きく異なるなぁと思っています。