物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

「人間失格」の読書会をやりました。

中学生、浪人生、大学生の参加もあり、なかなか刺激的な、贅沢な読書会となりました。この作品は好き嫌いが別れる作品だとは思いますが、それ以前にやっぱり読む年代によって受け取り方に違いがあるんだなぁということが実感できました。

どこまで共感できるかということを考えると、それは個々によるのですが、違っているとしても葉蔵により感情移入して読めるのは若い方々のようでした。若い人特有のまっすぐさと柔軟性が感じられて良かったと思います。

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私が印象深かったのは葉蔵が描く「おばけの絵」について。

ここだけは自己の表現を肯定できているところです。それは、絵だから可能なのか? 自己表現としての絵と小説の違いを考えさせられました。

絵を描くことではピュアに表現することが可能でも、読者がすべてわかるように言葉で説明するサービスを余儀なくされる小説では、それは難しいのではないかと。いや、もしかしたら、「人間失格」という小説ではそれが可能だったのかもしれないとも思いました。

もうひとつ印象に残ったのが、葉蔵が人生を転落させていく原因となるポイントについての話です。途中までは理解もできるけれど、最後までいくのは「やばいポイント」があるのだという若い参加者の意見。

その「やばいポイント」が女性と一致すると心中しようと思ったりするのだと。「やばいポイント」を持っているのは女性のほうが多いのかもしれないという話にも。

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8月29日(金)に、第二弾夏休み企画の若者歓迎読書会を開催することに急きょ決定しました。課題本は村上春樹ノルウェイの森』です。みなさん、読んでみて下さい。