物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

詩の例会

今日は横浜の県立神奈川近代文学館角野栄子魔女の宅急便』展を見てきました。角野さん自身が絵がお好きでたくさん描かれていること、海外旅行などをした折には文章とイラストで詳細な記録をつけていたこともよくわかりました。記録って大事なのですね。

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実は、夫がお世話になっている〈福田正夫詩の会〉の例会が文学館であり、誘っていただいたのです。私の小説も読んでくださっていて、本当にありがたいことです。メンバー外では私の他、ネパール人のピアニストの男性も参加されていました。

展覧会を見た後、周囲の観光をして、近くのレストランでビールを飲みました。詩や小説についての創作の話ができて刺激になりました。

これ、レストランの窓から見えた風景です。

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影裏 すべての見えない光

第157回芥川賞受賞の沼田真佑『影裏』を雑誌「文学界」で読みました。マスコミの情報から予想していた物語とは全然違っていたので驚きました。

選評にマイノリティ文学という言葉がありましたが、そうか日本ではマイノリティってこんなに大変なんだなぁとため息が出ました。というか、それは私も常々感じることで、どこにいってもみんなが気遣い心遣いをしながら団子のように転がっていく中で、ちょっと外れたものを探して攻撃しようという空気があるんですよね。

若い頃は、そういうのは時代とともになくなって世界は広がってくのかと思っていましたが、そう簡単ではないですね。もちろん時代が進んで広がっているところもあるのでしょうけれど、しぼんでいる箇所もありますからね…。

小説には釣りのことがあれこれ詳しく語れていました。先日来はまっているアンソニー・ドーアの小説にも、ちょうど釣りのことが書かれていたので、比較して面白く読めました。

今読んでいるのは『すべての見えない光』です。この本の表紙の写真、なかなか好きです。

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暑中お見舞い申し上げます。

先日は非言語コミュニケーションのワークショップをしました。メンバーの何人かの方から希望があったからなのですが、実は、私自身が最近の言語コミュニケーションに疲れていたのだなぁと気がつきました。

本(物語)を読んでも何の益もないというような言説をときどき目にしますが、そのたびに、その結果どういう未来に行きつくのだろうかという空恐ろしいような不安を感じます。物語ではなく実用的な言葉だけ選んでいったら、世界はどれくらい小さくなるのだろうと。

物語というのは統計やら平均ではなく、ある特殊な個の体験を誰にも分る言葉でできる限り解明して語ったものだと思います。その言葉があるからこそ、世界の周縁部は柔軟性をもって広がっていくのではないでしょうか。あるいは、それぞれの人が世界を支える役割を担っているのだと実感できるのかもしれません。

だから、物語がなかったらどうなるのだろう…と。

先日、小田急線に乗っていたら、津久井やまゆり園のことを踏まえた神奈川県のPR影像が流れているのを見ました。「ともに生きる」という書道家金澤翔子さんの文字。少しホッとしました。そうですね、亡くなった19人の方々にはそれぞれの物語があったのです。

同じ日に、大学時代、美術研究会で一緒だった友人から暑中見舞いのハガキが届きました。ブログを読んでいるという言葉に、彼女の絵が添えられていました。なんてきれいな、力強い赤だろうと思いました。やはり絵はいいなあと。

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こういうことって続くもので、娘にも自作の焼き物をもらいました。なんて深い青なんでしょう。重さ、冷たい質感。文房具を入れるのに使うよう言われたのですが、何も入れずに眺めています。

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ここには、言葉以上の情報が詰まっています。だから、元気づけられるのですよね。

いや、もしかしたら、すでに言葉は数式にとってかわられようとしているのか? というか、等式とそれほど変わらないものになっている? 色のない単色の世界が広がっているイメージ…

なんてことを考えるのも、この数週間、読みかけの本以外新しい本に手を出さなかったからなのでしょう。久しぶりに短編小説を読み始めたら、その舞台となる海辺の潮の匂いと鮮やかな色彩に刺激を受けて、目が覚めました。

わかっていたはずなのに、物語は言葉ではないとあらためて実感。言葉ではなく、体験なのだと。

暑い日が続きますが、皆さま健やかにお過ごしください。

ワークショップと「コンビニ人間」読書会

昨日のピッピの活動。

午前中は「非言語コミュニケーション」というお題をいただいたので、言葉を使わないで、更にグループになって伝え合う演劇ワークショップをしてみました。小学生が3人参加してくれたので、大人とは違う視点の表現の幅も広がりました。

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すみません。この暑さと寝不足で疲れていたもので、ウォーミングアップのゲームは省いていきなり本題に。このへんは中盤、昔話をグループで演じるための相談をしているところの写真です。

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桃太郎、一寸法師、おむすびころりんをサイレントで演じてもらったところ、臨場感あふれるダイナミックな演技となって、みごたえありました。

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午後は、村田紗耶香「コンビニ人間」の読書会。

村田氏の小説の中でも群を抜いて成功している作品だと思うのですよね。様々な側面から読めると思いましたので、まず参加者皆さんの意見をそれぞれ語っていただきました。

こういう場合、みなさん協調性があるので、どうしても他の人の感想を踏まえたリ、他の意見にひっぱられるということがあるものですが、今回は違った印象。それぞれみなさんまったく違ったことをおっしゃっていて、それに気がつかれていない様子に驚きました。

やはり「コンビニ人間」は、色々な要素がどういうカラクリなのかパチッと合ってしまって、絶妙な世界が描かれてしまっているのですね。そのみごとさ。小説世界の深さを思い知らされました。

プロフェッショナルとして小説を書くこととプロフェッショナルとしてコンビニ店員となることが重なって感じられました。この小説を書くということは作家として大変優れていますが、主人公もコンビニ店員として優秀。努力は最大限でも、最初はそれほど優秀ではないという設定でしたが、その壁を人間業とは思われない道筋をたどって越えるという物語だったのではないかなと私は思いました。

「ピッピのくつした」できあがりました。

今日は雷もなりましたが、メンバーみんなの協力により「ピッピのくつした」第21号をついに発行。編集長ミズタマさん、編集委員のみなさん、お疲れ様でした~!!

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打ち上げも無事終わり、帰ってきました~。

ピッピのくつしたでは、今週の金曜日(21日)の午前中は演劇ワークショップ、午後は村田紗耶香「コンビニ人間」の読書会をします。そのときに新しい号も配りますのでお楽しみに!!

明日、読書案内「ピッピのくつした」第21号を発行します。

尋常な暑さではありませんが、皆さまお元気でお過ごしですか?

それから、編集委員のみなさま、編集作業お疲れ様でした。いや、今夜、まだ最後の追い込みが残っていますね…(汗。

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明日の印刷と製本、よろしくお願いいたします。その後、打ち上げもあります。飛び入り参加もありですので、次号の編集委員をしても良いかなと思う方なども是非はいらしてください。

ポエケット2017

昨日は江戸博で開催されたポエケット2017に行ってきました。

夫の詩の同人誌「ポエムロゼッタ」のブースのお手伝いをしつつ、私の個人詩集もおいてもらって販売しました。

宣伝が少ないせいか……すみません、私も宣伝してませんでした<(_ _)>……年々お客さんが減っているような気がします。それでも、予想より売れた気がします。応援にきてくださったかたがたに感謝。

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気がします。

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お昼には来てくださった方々とちゃんこ鍋を食べました。最近バテ気味で食欲がなかったはすなのにたくさんいただきました。

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会場では昼と夕方にリーディングイベントも。

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夕方、大急ぎで片づけてポエムロゼッタ編集長を囲んで打ち上げに。ひとつのイベントが無事終了して安堵。

ピッピの発行ももうすぐです。乞うご期待!