物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

カサンドラ症候群

カサンドラ症候群ということを今まで考えたこともありませんでしたが、そういう概念があるのだと知って何冊か本を読んでみました。

カサンドラ症候群とは、ある種の障害や特性や成育歴によって共感力の低いパートナーと心を通わせることができず、不調をきたしてしまう状態のようです。

普通はパートナーですが、職場の上司や別の人間関係に当てはまる例もあるようです。 パートナーの能力が高く、外見は感じの良い穏やかな人であることが多いらしく、暴言やら攻撃は他の人にはなかなか見えません。

そして、パートナーに暴言を吐かれていると言っても周囲に信じてもらえず、自分のほうが悪者にされてしまうというところが特徴のようです。

カサンドラ症候群というネーミングは、ギリシア神話で、予言を誰も信じなくなるという呪いをかけられた予言者カサンドラからの由来ですね。

ただ、関係が逆転するケースもあるらしいのです。どっちから見るかによって、問題は違って見えるてくるということなのでしょう。

生まれ育った家族との関係の影響もあるようです。確かに、生育歴によって共感力は変わってきますからね…。

私の場合は、弟との関係がまったく意味不明に悪化し続け、修復しようとすればするほど悪化していき、ブレーキを踏んでるはずなのにアクセルを踏んでる状態になることがまったく理解不能でした。

施設に入っている母に相談したところ、考え方が違いすぎて話が少しも噛み合っていないのよ、と言われました。仲良くなるのは無理とも言われました。

え、そうなの?と目から鱗でした。

つきあいがほとんどないので、全然気づかなかったのです。身内なので自分に近い考えだと勝手に思ってました。

確かに、私から見て、弟の話は常識から大きく逸脱していてとても理解できません。また、こちらが説明することも弟はまったく理解しないのです。同じ日本語を使っていると思えないほどです。

先日のピッピのリフレッシュお茶会でその話をしたら、私より先に勉強していた方に「理解できないことを無理に理解したらダメなんですよ」とアドバイスをもらいました。

なるほど〜。

つい気を遣って、相手の身になって理解してあげようと努力してしまうのですよね。わからないのに、わかると言ってしまったり。

わからないものは、わからないのです。理屈が通ってないのですから。

カサンドラ症候群というのは日本だけに成り立つみたいな話も聞いたのですが、もしかしたら日本人が相手の身になって考え過ぎてしまうせいかもしれないですね。