物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

児童文学

アメリカの大統領選挙が潜在意識に引っ掛かっていたのかわかりませんが、最近、続けてアメリカの児童書を読んでいました。
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最初はこれ。通っている小学校の図書室の新着本としてブッカーをかけたのですが、あまり子どもたちに手にとられないのが残念で、自分で読んでみました。
開拓時代のアメリカ。家族を迎えに戻った父親がなかなか帰らない中、1人で1年近く小屋を守る少年の物語。命の危機にも直面しますが、インディアンの族長と孫に助けられます。その後、お礼にその孫の少年に英語の文字を教えるようになりますが、むしろその地域で生きる術を色々教わる。作者がこんな風だったら良かったのにと想像した物語なのだとか。本当にそう思いました。
続けて同じ作家エリザベス・ジョージ・スピアの本を探してみました。図書館の書庫にあるのをみつけたのがこれ。
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古めかしく恐ろしげな…というか、いかにも読みにくそうな装丁。実際、最初は読みにくかったのですが、物語に入り込むと物語の吸引力にぐいぐい引き込まれました。
魔女裁判があった時代のお話です。何の罪もなくただ信仰の違いから町外れに追いやられているおばあさんに対して、町の人々が悪意を向けていく様子はあまりにリアルで怖い。そのきっかけは、コロナのような何かの伝染病です。おばあさんの家は、人々に燃やされてしまいます。主人公の少女の勇気ある機転でおばあさんの命は助かりますが、人々の怒りは行き場を失い、少女に向かう…。
奴隷解放の物語も読んでみました。こちらはフィクションではなく、ドル紙幣に肖像が使われるとニュースにもなった、ハリエット・タブマンの伝記です。
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ハリエット・タブマンはちょうど今から200年前にアメリカで奴隷の子どもとして生まれています。父親が誰であっても、白人であっても、奴隷の母親から生まれた子どもは奴隷だったそうです。奴隷は誕生日は記録されず、文字を学ぶことも禁止されていたそうです。
本の中にあった、南北戦争前の自由州と南部奴隷州の地図、今回の大統領選挙の得票地図とやはり重なっているんだなぁと思いました。