物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

バレンタインデーと結婚記念日

私たち夫婦は、バレンタインデーが結婚記念日なんです。

普通は忘れないようなことでも何でも忘れてしまう夫と私。忘れないようにとこの日を選んだですが、今日も夕方まで忘れていました。去年? 一昨年? 20周年というのがあったはずですが、それも忘れて逃してしまいましたよ。

その約20年前の2月のこと、生活するのには籍を入れたほうが何かとお得だと話し合っているうちに、急きょ、婚姻届けを出したらいいんじゃないかと思いつきました。

書類をもらってきて、証人は誰になってもらおうかと考えているうちにすっかり本気になってきました。電話でお世話になっている年上の友人カップルに頼むと「俺らで本当にいいの?」と言われました。よろしくお願いします、と頼みました。

当時、私たちは西早稲田に住んでいまして、休日、都電で面影橋から友人たちの住む大塚に向いました。雪がかなり降っていましたっけ。

「寒かったでしょ」と言われて、ストーブに当たってホッとしたことを覚えています。四人で鍋を囲んで、焼酎を飲みました。友人たちはまだ籍を入れていなかったので、証人欄には別々の苗字が書かれました。なんだか不思議な気がしました。

「そちらは、まだ籍を入れないの?」と聞くと、「そんなに簡単には入れられないよ。親の考えもあるだろうし」と言われました。そういう考えもあるんだなぁと初めて気づきました。

その日は酔っぱらって、結局、書類を役所に持っていくことができませんでした。いつ出しに行こうかと何度か話しているうちに、13日。明日はバレンタインデーだと気づいて、深夜「今から、出しに行こう」ということになりました。歩いているうちに日付が変わって14日。ものすごく寒かった。

真っ暗でとても受け付けてもらえそうには見えない寒々とした新宿区役所の建物でしたが、よく見ると小さな暖かそうな明かりがついていて、おじさんがひとりいました。「おめでとうございます」と言われましたっけ。本当に、幸せな気持ちになりました。

そんな時代もありました(笑)。

というわけで、慌てて簡易ケーキを作りました。

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