物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

黄金の少年、エメラルドの少女

先日読んだ、アメリカのカリフォルニア州に住む中国人の作家イーユン・リー著『独りでいるより優しくて』の印象があまりに強烈だったので、続けて『黄金の少年、エメラルドの少女』(篠森 ゆりこ 訳) という短編集も読んでみました。

中でもO・ヘンリー賞を受賞した2作品はすごかった。

そのひとつ「優しさ」は、著者が体験した軍隊での実体験が土台になっているようです。著者は天安門事件のあとに北京大学に入学したので、大学に通う前に一年間軍隊に入ることを強制されたらしいのです。そういう状況下、どうやって自分を貫いてきたかという物語です。

もうひとつの「獄」という作品は、アメリカ在住の熟年夫婦が、中国の代理母に自分たちの子どもを産んでもらうという物語。代理母に選ばれるのは、教育をほとんど受けたことがない女性。過酷な状況下を生きるために、自分を持っています。その視線に、妻は彼女を選ぼうと思ったのでした。

3月にあった東京国際文芸フェスティバルにイーユン・リーさんが来日したときの、印象的だった表情を思い出しました。