物語とワークショップ

ピッピのくつした/まちだ演劇プロジェクト

音で観るダンスのワークインプログレス

神奈川芸術劇場KAATで「音で観るダンスのワークインプログレス」という催しに参加してきました。

私はそれを開発するためのワークショップに一度しか出席していませんが、色々なかたが何回も集まって勉強したり試行錯誤してできあがった音声ガイド。それを使うことによって、目の見えないかたにもダンスを楽しんでもらうという企画です。

ダンス、ですからね。映画の音声ガイドはかなりあるようですが、ダンスというのはなかなか新しい試みのようですよ。

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当日ボランティアが必要と聞き、他には何もお手伝いできなかったので、思わず手をあげてしまいました。

と言っても、担当する全盲の同世代の女性を最寄り駅まで迎えに行って、一緒にひと通り催しに参加した後、再び駅までお見送りするというくらいのサポートです。

初めてでよくわからないのでそう言うと、何をすればいいのかきちんと教えてくださいました。助かりました。先日読んだこの本にも書いてありましたが、たぶん見えている人が多すぎる視角情報を処理しきれず目がくらんでいるのとは違って、過不足なく情報を処理して筋道立てて考えている印象。安心感がありました。

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サポートするときだけでなく、実際のダンスを鑑賞した後に感想をあれこれ会話してびっくりすることも多々ありました。特に、鑑賞するときの心持ちの大きさというのに驚かされました。

単に解説してもらって正しく理解したいのではなくて、どこが面白いポイントなのかを知りたいのです、と。つまり、ただ受け身に鑑賞する(それでは学校の勉強です)のでは物足りないので、もっと自分の参加して能動的にかかわりたいのだと。

ハッとしました。それ、私たちのピッピの読書会と同じです。読書会をするときに、ただ正しい読解をするだけではつまらなくて(それでは学校の勉強です)、どこが面白いかを発見しているのですよね。

その他、様々な気づきがありました。こういった企画は、目の不自由なかたをサポートするためだけでなく、晴眼者が一緒に鑑賞することによって逆にサポートしてもらうところもあるのではないかと思いました。